「病気予防は?」AIで農作物の栽培相談「スーパー農家トミさん」

ロボットやAI(人口知能)、IoT(モノのインターネット)、ICT(情報通信技術)などの先端技術を活用するというのも『スマート農業』です。

生産者が減少したとしても、生産を維持できるように、また生産者の所得を確保できるように『スマート農業化』は重要です。
【住】県内の企業で、この問題に取り組んでいるところはありますか?
【平】30代の若い起業家がAIを利用し、新たな試みを始めました。


長崎市に本社を置く株式会社LAplust(ラプラス)は、作物を栽培する際の疑問について、LINEアプリを使ってAIが答えてくれるソフト『スーパー農家トミさん』を先月、リリースしました。

LAplust COO 原崎芳加さん:
「栽培している作物は…“いちご” です。栽培を始めて5年目”です。(病気の)予防方法を具体的に三つ教えてください、と(入力します)」
スマートフォンのLINEアプリに “質問”を打ち込むと“回答”が返ってきます。

原崎さん:「“いちごの灰色カビ病” に関して説明をしてくれています。“具体的な病気の予防方法を3つご紹介いたしますね”と(回答してくれました)」

原崎さん:「気軽に新規就農者でも、熟練した農家さんでも、JAさんや地域の普及員として活動されてる方でも『ちょっとあれ?どうだったっけな?』っていうところを、気軽に聞けるような “先輩の農家さん”がいれば、そういった諸課題が解決するんじゃないかなと(開発しました)」
【住】確かに気軽に相談できる相手がいれば、心強いですよね。
【平】この『スーパー農家トミさん』は、以前、質問した内容を覚えていて、追加の情報も教えてくれるという(学習)機能もあります。

これは、“データ化”といった これまでの経験を蓄積し、活用する分野での『スマート農業』ですね。
【住】経験豊富な生産者が近くにいてもらえればいいのでしょうが、実際には減ってきているのですよね?

【平】3年前の県の資料によれば、農業就業人口は、18年前の2005年に5万2千人余りでしたが、その10年後は3万4千人余りと、35%減少しました。
このまま減少が続けば、2040年にはおよそ1万3千人と、2015年より63%も減少し、かつ75歳以上の割合も37%と、高齢化が大きく進むことが予測されています。