富山県武道館の移転問題です。見直し検討委員会では五福と県総合運動公園を中心に議論が行われていて、今月中にも新たな基本計画が策定される見通しですが、武道館の利用者に聞いたところ結果は意外なものでした。

築50年以上が経過し建て替えが議論となっている県武道館。柔道や剣道などの稽古が行われ富山市内を中心に県内から武道を習いに多くの子どもたちが来ています。終了後、利用者に話を聞くと…。

街の人:
「お金高いからいうて(どうして)他の所に移すのかな」
「予算って言われると難しいですけど」
「ここに建て替えしていただければ一番納得する」

建て替えられる施設がどこに行くのか関心が高まっていました。県武道館を巡っては老朽化などを理由に2027年度の開館を目指し、富山駅東側に移転する予定でしたが、県は計画を見直し整備費用の縮減や駐車場確保の点から▼富山駅周辺、▼五福公園▼県総合運動公園の3か所を候補地としてあげました。

先月、県武道館の見直しについて検討する委員会では…。

日本青年会議所北陸信越地区富山ブロック協議会
直前会長松浦憲秀:「武道競技の振興、競技力の向上だけを特化すると五福なんじゃないかなと」

富山経済同友会 麦野英順代表幹事:「最初から県総合運動公園のところで広々やられたほうがいいのかなと」

検討委員会では県総合運動公園を推す声が大半を占めましたが、県議会ではアスリート目線で候補地を選ぶ必要があるとの声も…。

富山県議会 五十嵐務議員:
「(県武道館で)武道教室が多く開かれている。その利用者もたくさんいる。そういった子どもたち、あるいは保護者にもしっかり意見を聞いていく、そんな時間を設ける必要があるのでは」

そこで、先週末、県武道館の利用者を対象に候補地について聞きました。

富山駅周辺派:「やっぱりアクセスが悪いと足遠のくかなと思うのと、県外の人が来るとなると(他の候補地は)不都合かなと思います」「(建設費が)安いところにこしたことはないんですけど、正直やっぱり場所。通いやすい、通いにくいで」

五福公園派:「自分は富山工業生なので、近いし。」「五福の周辺には富山工業や富山商業など武道に力を入れている高校もありますので、競技面でも向上がより図りやすい位置にあるのではないかなと」

県総合運動公園派:
「周りに運動の施設が揃っているので使いやすいかなと」「車で来る人が多いと思うんですよ。柔道とは別ですが剣道やっている人で考えると(道具の面から)車で行くと考えて、駐車場・敷地のこと考えたら県総合がいいかなと」

その他派:
「弓道場があるとことか、あそこも確か県有地。用地が確保できるところがいい」「(同じ場所に)建て替えて地下に駐車場を作っていただいて、観客は入らないかもしれませんがやるほうにしては交通手段もいいですし、一番いいんじゃないかなと」

アンケートの結果、富山駅周辺が5割を超え次いで五福公園が3割強、県総合運動公園は1割を切りました。県武道館利用者の声は候補地の選択にどのように反映されるのか?

11日の会見で新田知事は…。

毛田千代丸キャスター:「利用者の声を候補地の選定に反映するお考えはありますか?」

富山県 新田知事:「もちろん、サンプルはいくつぐらいありますか?」

毛田千代丸キャスター:「利用者の保護者と子ども入れて66人、柔道や剣道・空手の利用者もいます」

富山県 新田知事:「はい、参考にさせていただきます」

県は今月中にも新たな基本計画を策定する方針です。