ロシア国内で長引く戦争への不満が少しずつ表面に出て来ている。このまま次の選挙までプーチン氏は突き進むのか、どこかで方向転換するのか…そうなれば失脚する前に影響力を残せる後継者を選ぶかもしれない。今回は“ポスト・プーチン”をテーマに議論した。

■「国がこんなに秘密を守ろうとしたことはなかった」


今、ロシア国内では戦争への批判はもとより、対外的発言は厳しく統制されている。それでも完全に蓋はできない。それほどに国民の不満は高まっているようだ。番組では、ロシア兵士の母の会の会長を20年以上勤めている女性の切実な声を直接聞いた。

ロシア兵士“母の会” メリニコワ会長
「お話しできる内容は法律により制限されています。(中略)私たちの子どもが捕虜になったのか、死んだのか、行方不明なのか確認できません。(ロシアからは何の情報もないですが)ウクライナは、最初からネット上のサイトで捕虜の写真と書類を公開しています。インタビューもあります。これらのおかげで私たちが何かを知りたいとき(ウクライナ側に)連絡することもできます。これは正式な情報です」

情報を得られれば捕虜交換のリストに自分の子どもを入れてくれるようウクライナに頼むこともできるし、同じく息子を戦争に出したウクライナの親と連絡を取り合ったりもできるという。兵士の母の会は過去にチェチェン紛争など11回の戦争にかかわってきた。が、今回の戦争はこれまでとは全く違うという。

ロシア兵士“母の会” メリニコワ会長
「国がこんなに秘密を守ろうとしたことは今までありませんでした。情報統制もなかったんです。インタビューでも考えたことを自由に話していました。今は余計なことを言わないようにしています」

ーー総動員令の可能性は?

ロシア兵士“母の会” メリニコワ会長
「考えても仕方ないこと。ウクライナで軍事行動があるとも思ってもいませんでしたから…。ロシア連邦の指導者が一人で決めることです」

言いたいことが言えない中で彼女は「黙っていてはいけないと思った」と語ってくれた。
この“母の会”は決して反体制側の団体ではなく、むしろこれまでいくつもの戦争で重要な役割を果たしてきた愛国的な団体だ。そこでも今回は不満が高まっている。

防衛研究所 兵頭慎治 政策研究部長
「不満は広がってます。現役の外交官が辞職して自らの声明をネットに掲示をしました。政府の中にも同じような考えを持った人はいるでしょうし、退役将校による『全ロシア将校の会』というのがあって、会長のイワショフさんは会のホームページで、2月24日の軍事侵攻の前から仮に侵攻した場合、ロシアは孤立し、勝てないし犠牲も大きいからプーチン大統領も再考すべきだ、と書いている。そのように軍関係でも現在の戦争への否定的な考えが徐々に拡大している」

こうした国内での否定的な意見の拡大は、プーチン政権の終焉を匂わせる。となれば必然的に話題は“後継”に集まる。