夏にあと一歩届かなった甲子園。2度目のチャンスとなったのが、昨秋の近畿大会。勝てばセンバツ出場が大きく近づく大阪桐蔭との大事な一戦に先発を任された。しかし、津嘉山は初回にいきなりピンチを迎える。2アウト満塁で大阪桐蔭の6番・村本勇海に甘く入った球をライトスタンドに運ばれ4失点。これが決勝点となった。「自分の体をしっかり調整できずに試合に臨んでしまった」秋の悔しさを胸に、冬場は下半身を重点的に鍛えながら、秋に102kgあった体重を91kgまで減らした。体が動きやすくなり、ストレートのコントロールも向上した。

 一冬越えて迎えた春の県大会で、すぐその成果が現れた。準決勝で対戦した報徳学園はこの春のセンバツで準優勝した強豪。先発した津嘉山は、全国トップレベルの打線相手に9回を4安打・自責点1の好投。チームは延長10回の末、サヨナラで敗れたが、「そこまで差はないと感じた。夏はレベルアップして圧倒的な力で勝ちたい」と確かな手ごたえをつかんだ。