喜入キャスターが全盲のクライマー・小林幸一郎さんを取材。病気で視力を失ってもなお、岩山に挑み続ける。その姿からは前を向いて生きるヒントが見えてきました。
■今見ている景色・顔は明日は見られなくなるかもしれない。だから、今を刻み込むように生きてきた
小川彩佳キャスター:
なんだか自分にはちゃんと見るべきものが見えているんだろうかという気持ちにさせられるといいますか。見えざる壁に挑戦していく、クライマー・小林幸一郎さん(55)の姿を通して、こちら側(心)の視界がどんどん開けていくような思いがありますね。
山本恵里伽キャスター:
そんな感じがします。書き留めたい言葉が本当にたくさんありました。
喜入友浩キャスター:
金言尽くしでしたね。目は合っていないんだけれども、心で話している。
山本キャスター:
そう思いました。小林さんを見ていると、全盲であることを少し忘れている自分がところどころあったんですよ。それだけ人格者であり、お人柄、生きざまが本当に魅力的な方だと。
小川キャスター:
そしてずっと表情が本当に明るくて、楽しそうでいらっしゃった。
山本キャスター:
本当にクライミングが楽しそう。
喜入キャスター:
小林さんは28歳で病気が発覚して、20年かけて視力を失ったんですよね。その中で、今見ている景色、顔は明日はもう見られなくなるかもしれない。だから、今を刻み込むように離さないように生きてきた。その積み重ねをしていくと、過去が肯定できるようになったんだ。だから、見えなくなっても僕は前を向けているんです、という言葉が私は強く印象に残っています。今この瞬間を大事にしたいと、まさに今思ってます。
小川キャスター:
言葉も今、心で受け止めました。
カメラ:小野山寛之・春田晃季
VE:成澤秀斗
編集:大生哲司
取材・構成:喜入友浩、奥村康平