経済同友会が長野県軽井沢町で夏のセミナーを行いました。深刻な人手不足に直面する日本経済にとって、賃上げを継続できるかが大きなカギとなりますが、経営者からは前向きな声が相次ぎました。

就任して初めての夏季セミナーを開いた経済同友会の新浪代表幹事。およそ60人の経営者を前に強調したのは、民間企業が主導する形での日本経済の成長です。

経済同友会 新浪剛史 代表幹事
「経済もデフレからインフレへ大きく変わりました。民主導の経済になるのだと、こういう思いを持って、ぜひ成長を伴うダイナミックな経済を作っていこうではないでしょうか」

一方で、新浪氏が取り組まなければならない、と訴えたのが…。

経済同友会 新浪剛史 代表幹事
「驚くべきことに、人手不足が本当に深刻化しています。徹底した規制緩和改革、官民連携のリスキリングのプラットフォームの構築、まさに人材の流動化の取り組みです。経済の構造改革をしていかなくてはいけない」

「人手不足の解消」と「人への投資」。深刻な人手不足については参加した経営者からも懸念の声が聞かれました。

日本マクドナルドホールディングス 日色保社長
「一番大きな問題はやっぱり人手不足。やっぱり労働人口が減っているというのが一番大きい問題ではないかと思います」

森トラスト 伊達美和子社長
「人手不足をどうやって解消していくか。ある意味では、色々な需要がこのコロナ禍後に生まれてきているわけですけれども、それに対応するための人が足りない」

人手不足を解消するために大きなカギを握るのが、賃上げです。

今年の大企業の賃上げ率は3.91%と30年ぶりの高い水準でしたが、来年以降の賃上げについても前向きな声が相次ぎました。

三菱UFJフィナンシャルグループ 三毛兼承会長
「経済界全体としても、来年の春闘に向けて賃上げというのは続けていく方向なのだろうと私は思っています」

大和証券グループ 田代桂子 副社長
「賃上げは経済的にもそうですし、社会の要請というのもあると思いますので、続くと思います」

ロッテホールディングス 玉塚元一社長
「日本の経済の最大の問題っていうのはデフレの脱却だと思う。賃金が上がっていくという流れは何としても経済界として維持していく必要がある」

オイシックス・ラ・大地 高島宏平社長
「(賃上げは)続けざるを得ないというふうに多く思っている経営者の方は、多いと思う。それが続くかは、これからチャレンジかなというふうに思いますね」

物価高を上回る持続的な賃上げを実現し、日本の経済成長に繋げられるのか。新浪同友会の発信力と実行力が問われています。