インボイスが高齢農家の離農を早めるのでは

和牛の繁殖農家、中村友哉さん。
インボイス制度がスタートすることを受けて、子牛価格への影響を懸念している。


(和牛繁殖農家 中村友哉さん)
「免税事業者と(インボイスの)登録事業者で、出荷した時の子牛取り引きの格差というのが生まれてくるのかなと思いました」


そもそも、消費税は、年間売り上げが1千万円を下回っている場合、その多くが「免税事業者」となっていて、消費税を納付する必要がない。

中村さんは、売り上げが1千万円を超える課税事業者だが、繁殖農家の多くは零細な免税事業者。免税事業者のままではインボイスが発行できない。


制度の導入後、「免税事業者」のままでいることも可能だが、その場合、子牛を買う肥育農家の負担が増えるため、中村さんは、零細農家にもインボイスを求められる可能性があると感じている。


(和牛繁殖農家 中村友哉さん)
「肥育農家に子牛を買ってもらって生活しているので、そこを肥育農家が言われるのであれば、(インボイスの)登録事業者になろうという流れになる」

中村さんは、インボイスが零細農家の経営を圧迫すると懸念している。

(和牛繁殖農家 中村友哉さん)
「今でさえ子牛価格が下落していて、低迷している中で、小規模農家からするとインボイスは免税できなくなるということなので、もしかしたら、高齢農家は離農される方や、離農の速度が早まるのかなと」