ただ、アメリカの「オンセミ」も2020年に新潟工場の売却に乗り出しました。
去年11月に就任した宮崎悦男市長は当時、新潟県議会の議員で「オンセミ」の新潟工場売却に危機感をもち、経産省への要望活動を進めていました。

宮崎悦男 小千谷市長

【宮崎悦男 小千谷市長】
「こういったものを作って、雇用をしっかり守ってほしいということと、できれば国内企業、少なくとも親日の国に買収してほしいということと、設備投資を是非お願いしたいと」

様々な企業が小千谷の工場を視察しましたが、なかなか買収には至りません…。
そこで白羽の矢が立ったのが岡田社長でした。実は岡田さんは長岡市出身。これまで30年以上、半導体の業界に身を置いていて、別の半導体会社の社長を退任したところでした。

長岡市出身の岡田憲明社長

【JSファンダリ 岡田憲明社長(65)】
「前の会社でも9年間社長をやって、社長のある意味での大変さというのもよく分かっていたし、年齢も年齢だったので悩みに悩んだが、最後の人生の中でこれだけのやりがいのある仕事をさせてもらうのは、おそらくこれが最後だという気持ちで、今回は引き受けさせてもらった」

これまでに2回看板を架け替えた小千谷の工場。浮き沈みのある半導体業界ですが、岡田社長は“これまでにないビジネスモデル”に挑戦することで、経営の継続に自信を持っています。

【JSファンダリ 岡田憲明社長】
「このファンダリというのは、設計等は一切やりません。それから、自分たちの『最終商品』は一切持ってません。ですので、いろんな会社さんが設計をして、それを我々に生産を委託してくるようなそういうビジネス」