米農家「田植したばかり…今年は食べられんかもしれない」
一帯が水に浸かった益城町を訪れました。

喜入友浩キャスター
「地元の方によりますと、この道路も午前中は冠水していたということです。水が引いた今も泥が残っています。そして、この先には、もともと道路と水田が広がっていましたが、その元の姿が想像できないくらいに今も泥水が残っています」
喜入キャスター「こんにちは。農家の方ですか?」
男性「そうです」
この町で70年以上暮らす米農家の男性。3週間ほど前に田植えをしたばかりだったといいます。

米農家の男性(73)
「水だけならいいけどゴミくずとかあるから、だめ。使いものにならない」
喜入キャスター「今年の収穫は?」
米農家の男性「ほぼない。自然だけん、しょうがなか。今年はひょっとしたら食べられんかもしれない」
住民が避難してきた公民館周辺にも水が。避難してきた人は、当時の様子について。

公民館に避難した男性
「雨が急に降り出して、水かさが急に上がってきたんですよ。雨がひどくて、雨の音がかなりひどくて、もうダメじゃなかろうかくらいですね。ひどかったんですよ」
土砂で寺の本堂倒壊「あっという間の出来事だった」

町の至る処では、土砂崩れが発生。

記者「益城町の浄恩寺では、隣の山から土砂が流入し、本堂が押しつぶされています」
こちらの寺では、門から境内に入ったところで建物が押しつぶされるように崩れています。
ーー潰れた音はしましたか?

近所の男性「したよ。こぎゃんこと、なかでね、初めてだわ」
寺の住職や家族は、すでに避難していて、けが人はいないということです。

浄恩寺 玉春勇樹住職
「状況に気づいたのは朝の7時くらいでしたね。隣に住んでいる前々住職が電話をくれて『土砂が崩れて水が流れてきているぞ』ということで。仏像だけを移動させてやっているうちに本堂の崖側から土が壁を突き破ってやってきて」
住職は「本堂が倒壊するまでに3回地響きがあり地震が起こったかと思った。あっという間の出来事だった」と話しました。
気象庁は、4日にかけて猛烈な雨が降る恐れがあり厳重な警戒を呼びかけています。