毎年この時期に公表される“路線価”ですが、そもそも何か知っていますか?

路線価とは、国税庁が今年1月1日時点で、主な道路に面した土地1平方メートルあたりの評価額を算定したものです。土地などを受け継いだ時にかかる相続税のほか、個人から贈与により財産を取得したときにかかる贈与税は、この路線価を基準に計算されます。

路線価とは


似たようなものに国土交通省が3月下旬に公表する「公示地価」がありますが、路線価はこれと比べ調査地点が大幅に多いことも特徴の1つです。路線価の全国1位は38年連続で東京・銀座の鳩居堂前で、1平方メートルあたり4272万円でした。県内では4123の地点で調査が行われ、その半数近くが去年と比べて上昇しました。

MRO牛田アナウンサー
「14年連続で県内で最も高かったのは、金沢駅の東広場通りです。1平方メートルあたり90万円となりました」

金沢市堀川新町の金沢駅東広場通りは、去年の調査から1平方メートルあたり1万円上がって90万円。変動率は+1.1%でした。

その一方…。
「店ができると地元の人も行けるのでにぎわってくれると嬉しい」
「なんとか日が当たって、みんなが生き返るような商店街になればいいと思う」(小松市民)

JR小松駅前通り(小松市土居原町)


市民の期待感が大きかった石川県小松市土居原町の駅前通り。去年は前年比+4.8%と大幅に上昇しましたが、今年はそこから変わらず11万円と、横ばいとなりました。

福井市の福井駅西口広場通りは6.1%上昇、金額にして2万円増の35万円。ともに北陸新幹線の敦賀延伸を来年春に控える中、両者の差が開く結果に…。専門家は「駅東口の複合ビルの開業延期が一因になった」と分析します。

県不動産鑑定士協会 畠山麻衣 事務局長
「マイナスの要因としては、北電のビル完成の1年延期が発表された。2025年春オープンということで、北陸新幹線開業には残念ながら1年ほど間に合わない。この影響は少なからずあった」

金沢国税局が公表した今年の路線価。県全体の平均路線価は前の年と比べ+1.1%で、2年連続の上昇となりました。県内4123地点のうち、路線価が上昇したのは2038地点。横ばいだったのが1348地点で、下落したのは737地点でした。

金沢駅前や小松駅前のほか、七尾港線通り(石川県七尾市)は1平方メートルあたり5万円で2年続けて横ばい。朝市通り(石川県輪島市)は前年比-2%の4万9000円に下落しました。こうした中、今年大きく上昇した地点もあります。三納藤平田線(石川県野々市市)は、金額にして4000円上がり7万9000円。変動率は+5.3%で、県内5か所ある税務署管内の最高路線価の中では最大となりました。