新潟県上越市で会社役員の男性が殺害された事件から7月1日で1か月を迎えますが、いまだ犯人逮捕には至っていません。捜査本部は、事件前に被害者の自宅で起きていた窃盗事件との関連も調べていて、強盗殺人の可能性も視野に犯人逮捕に向けて慎重に捜査を続けています。

【記者リポート】
「事件から1か月がたちましたが、中村さんの自宅周辺にはまだ規制線が張られていて、現場となったカーポートはブルーシートで覆われているなど、いまも物々しい雰囲気が残っています」

亡くなった中村礼治さん(62)

6月1日午後7時44分、上越市大貫の閑静な住宅街で起きた殺人事件。
この家に1人で住んでいた会社役員の中村礼治さん(62)がハンマーのようなもので頭などを複数回殴打され殺害されました。「2人が言い争っている」と近くの住民から警察に通報があり、事件は発覚しました。

【近隣住民】
「男性の怒っているような声、なんかちょっとケンカでもしているのかなと」

また、現場では中肉中背で、黒っぽい服を着た、性別の分からない人物が逃げる姿が目撃されていました。

【近隣住民】
「興奮しているような男の人がいて、1人で大きな声でしゃべっていて、奇声をあげていたので、ちょっと何かおかしいなって。(警察から聞いたのは)現場から逃走したのが、上下黒っぽいウィンドブレーカーを着ている中肉中背の性別は分からないということだったので、ちょっとあれ?と思って」

【新潟県警本部 刑事部 大澤宜夫部長】
「頭部に殴打されたような痕が複数あり、出血していることから、何者かに殺害されたものと認められます」

新潟県警は132人体制の捜査本部を設置。
同規模の体制を維持しながら、1か月捜査を続けてきました。

事件の3日後には中村さんが経営する自動車販売会社を家宅捜索。
捜査関係者によりますと、中村さんのパソコンやスケジュール帳などを押収したということです。また、凶器は捨てられたとみて、現場周辺の藪などを入念に捜査。逃げた人物の行方については、周辺の防犯カメラやドライブレコーダーを回収して解析を進めてきました。

事件発生から7月1日で1か月が経ちますが、犯人逮捕には至っていません。
現場近くに住む人や中村さんを知る人は…

【近隣住民】
「住民とすれば(捜査が)どういう方向に進んでいるのかというのが分かれば少しは不安解消になるかなと。精神的に早く捕まってくれればなという思いはありますね」

【中村さんを知る人】
「本当に青天の霹靂で事件に遭われたわけだから、自分が亡くなったということ自体が分からないまま、天国行かれたのではないかなと。できれば(中村さんから)教えてほしい。こいつだ!というのをね。一刻も早くいつもの状態の生活に戻れたらなと思います」

中村さんの自宅では4月に多額の現金が盗まれる事件が起きていて、捜査本部は窃盗事件との関連も捜査しています。6月中旬までは事件現場のカーポートをはじめ、自宅の中や中村さんの車で現場検証を進めてきました。ただ、ある捜査幹部は過去の窃盗事件との関連を調べるのは難しいと話します。

【捜査幹部】
「被害者が1人暮らしをしていたため、生活状況を把握するのが難しい」

捜査本部によりますと現場検証は6月中旬に終了しました。自宅内が荒らされていたかどうかは明らかにしていませんが、捜査本部の幹部は29日に報道陣に対しこうコメントしました。

【捜査幹部】
「強盗殺人事件となる可能性もある凶悪で重大な事件。公判でしっかりと重罰を科すため慎重に捜査を進めている。捜査は進展している」

捜査本部は、金品も奪われた強盗殺人事件などあらゆる可能性も視野に入れ、慎重に捜査を進めています。