「難病」に指定されず 医療費の助成もなし

ひろと君は、強い眠気を引きずったまま食事やトイレに行くなど無意識に行動することも多く、両親は常に目が離せない状態だといいます。
ーー寝ないように抗ったことはある?
ひろと君(仮名):
「ある。筋トレしたり、目が覚めるから」
ーー結果はどうだった?
ひろと君(仮名):
「3分くらいもったけど、『眠い』ってなって結局寝た」
クライネ・レビン症候群は、一般的に強い眠気をもよおす「過眠期」が数日から数週間続き、通常の睡眠に戻るというサイクルを年に数回繰り返します。

ひろと君は特に過眠期が長く、3か月続きました。現在、効果的な治療方法は見つかっていません。症状が自然に治まるのを待つしかなく、治まるまでの期間は平均14年かかるといいます。
琉球大学病院 普天間国博 医師:
「(発病の)原因はわかっていないんですけど、過眠の時期というのは、冬眠に近いメカニズムが働いているようです」
クライネ・レビン症候群は国が定める「難病」に指定されておらず、医療費の助成をはじめとする社会的な保障が確立されていません。