世界遺産登録から10年目の節目を迎えた富士山に鉄道を走らせる「登山鉄道」構想に、賛否の声が上がっています。
オーバーツーリズムの解消や排気ガスの削減などが予想される一方で、かたや運賃は往復で1人1万円、一般車両は通行規制…。実現に伴い予想されるメリットやデメリットについて解説します。
富士山に検討 “登山鉄道”構想に賛否の声
小笠原亘キャスター:
世界文化遺産の登録決定から10年の節目を迎えた富士山。その富士山に鉄道を走らせる“登山鉄道”構想が浮上しているのですが、このアイディアに賛否の声が上がっています。

富士山に登山鉄道を、という構想を打ち出したのは山梨県側です。
2019年に山梨県の長崎幸太郎知事が「富士山登山鉄道構想の検討の進め方など、ご指導をいただきたい」ということで構想を立ち上げました。
山梨県側は前向きなのに対し、地元の自治体は反対の声を上げています。
山梨・富士吉田市 堀内茂市長:
「必要性を全く感じていない。はっきり申し上げて、富士山登山鉄道は反対です」

富士山“登山鉄道”構想がどういったものなのか、詳しく見ていきます。
「富士スバルライン」という河口湖町から5合目までを結ぶ既存の道路上に、次世代型の路面電車(LRT)を敷設・整備しませんかということ。
まだ構想の段階ですが…
▼総事業費:約1400億円を検討
▼運賃:一人あたり往復1万円(利用者数300万人/年 見込み)
▼所要時間:上り約52分・下り約74分→往復2時間強かかる