千葉県柏市の「柏相撲少年団」は、これまで大相撲に14人を輩出した名門クラブ。現在活躍する小結・豊昇龍をはじめ、引退した力士を含めると6人の関取が誕生しました。(※2022年5月放送時)
その永井明慶(あきよし)監督は、相撲界でもっとも注目される指導者の一人。強い力士を育成する秘訣とは、どのようなものでしょうか?

独自のアイデアを取り入れた稽古

相撲で活躍後、指導者となった永井監督。現在は3~15歳までの約40人を一人で教え、「みんな命かけてここに来てるから、私も体張って向き合わないと」と常に体を鍛えて稽古に当たっています。
稽古で大切にしているのが、基礎練習。全体の約3分の2の時間を費やし、しこ・すり足などの動作を徹底的に行います。永井監督によると「基礎をおろそかにしたら、強くなってもケガしちゃう」とのこと。

また、体の軸を作るための体幹トレーニングも重点的に行います。
体の軸が鍛えられると、土俵際で粘りが生まれるそう。

稽古にはほかにも、永井監督ならではの工夫がなされています。それが携帯電話で撮影した映像を約20秒の時間差でモニターに再生すること。生徒は練習直後に確認し、次にいかすことができます。
こうした稽古を積んだ教え子たちが、全国大会の上位入賞などの成績を残してきました。

立派な人間になってもらいたい

永井監督の熱意ある指導は、稽古場を離れても続きます。実はこちらのクラブでは、親元を離れた中学生が監督の自宅で寮生活を送っています。

現在10名の中学生を引き受ける、永井監督の仕事は多岐にわたります。食事の準備は基本的に一人で担当。5品以上用意するという夕食だけでなく、体作りのために朝食もたっぷりのおかずを用意します。
ほかに買い出しや学校との連絡、トレーニングメニューの考案、アプリで保護者への情報共有なども担っています。

また、「キレイな所じゃないと、いい人材は育たない」という理由から、子どもたちと駅周辺でゴミ拾いも。
さらにスマホを有効に活用したミーティングを行ったり、社会に出たときの礼儀作法も伝えています。

こうした寮での指導について、永井監督は「大相撲で活躍するのも目標としてあるんですけど、それ以上に大人として立派な人間になってもらいたい。そこを寮生活でしっかりと身につけてほしい」と話します。
そんな永井監督の指導を受ける子どもたちも「ほぼ家(のよう)」「故郷」「人間として成長できる」と安心して寮での生活を送っています。名門相撲クラブの輝かしい業績の裏には、熱心に子どもたちと向き合う永井監督の尽力がありました。


(「バース・デイ」5月7日放送分より)