九州経済調査協会がまとめた、2023年5月の九州各県の宿泊稼働指数によると、長崎県は74.7で最も高く、前年比+12.3、前月比も+7.2と好調に推移しています。
一方で宿泊業界では、コロナ禍で落ち込んだ需要の急速な回復による“人手不足”が課題とされています。
こうした中、ビジネスホテル大手の『アパホテル』が6月27日、長崎市に新しいホテルをオープン。
外国人観光客も多い長崎での妙案とは──
アパホテルでは、
・自動チェックイン機の導入
・ピクトグラムの採用
などで効率化を図り、人手不足を補うことにしています。


長崎市樺島町に27日グランドオープンした『アパホテル長崎出島』
アパホテルでは長崎市内中心部で、すでに2つのホテルを営業していますが、部屋のタイプを変えることで、客層の差別化を図っています。


全186の客室のうち32室は、2つのシングルルームを繋げることができます。
受験生と親が一緒に泊まる“見守り受験”や、複数人の旅行でもプライベートを重視したい“女子旅”などでの活用が見込まれています。


アパホテルが昨今の人手不足対策として導入しているのが、スマートフォンのアプリを使った“自動チェックイン機”です。
スタッフ配置の効率化と、宿泊客の待ち時間削減を両立することができます。

アパホテル 元谷 一志 社長兼CEO:
「人を介さなくても、スムーズにチェックインをしていただくということで、省力化を図りながらも効率化を図って、お客様からはご好評をいただいているシステムでございます」
人手不足を乗り切る工夫は他にも──
ホテル内の設備の説明文に表示されているのが『ピクトグラム(絵文字)』です。



ピクトグラムとは、駅の乗り換え案内など、公共施設や商業施設などで幅広く使われている案内デザインです。
文字ではなく図で表現することで、言葉の違いや年齢等による制約を受けずに情報の伝達を行うことができます。
アパホテルでは、ホテル用に300種類を超えるデザインを作成しています。言語を超えたコミュニケーションができるため、特に『外国人などからの問い合わせ』に対応する時間と手間を減らすことができるといいます。

アパホテル・元谷 一志 社長兼CEO:
「(問い合わせの)内線電話がかかると人手がとられるので、なるべく万国共通で図式化したものが分かれば、無駄な内線電話が減って、仕事量が減るという形になります」

旅行需要の回復で、今後も続くとみられる宿泊業界の人手不足。
国内大手のアパホテルも、あの手この手で課題の解決に取り組んでいます。