車で片道1時間の通学となる地区

新校舎から最も遠くなる恵那市串原地区。

ここに住む40代の女性は。

(串原地区に住む女性)
「2番目の子どもが統合のタイミングで入学し1年生になる。一番下の子どもは車酔いするので(通学は)無理かなと思う」


統合されると、6歳と9歳の子どもは2人とも遠距離通学になります。

車による通学は、一体どのようなものなのか。今、中学1年生の長男にも同行してもらい、時間を計りながら実際に走ってみました。


この女性のよると、統合された中学校までの道は冬場は車も通らないような道で、軽トラックで転落して亡くなった人もいるそう。女性は「本当に怖い」と話します。


実時間に近づけるため、道中のバス停で別の生徒が乗って来る時間も加味して進みます。

曲がりくねった山道を走る車内で、中学1年の長男は気持ちが悪くなってしまいました。


この道を大雨が降る台風シーズンも、雪で道路が凍結する冬も、毎日車で通うことになります。

(串原地区に住む女性)
「まあ遠いですね。落石はしょっちゅう。一度事故を起こすと、このあたりは携帯の電波が入らないので連絡のしようがない」


恵那市は生徒の負担を考え、通学時間は1時間以内を目指し、より一層の時間短縮を図るとしていますが、到着までにかかった時間は59分29秒。


(串原地区に住む女性)
「長かったですね…。毎日のことだとちょっと…」

串原地区の子どもたちは、通学に毎日往復2時間。部活は、塾はどうなるのか。親の心配は尽きません。

(串原地区に住む女性)
「(今通っている)小さい学校は本当に必要で、残してほしいと思っています」


少子化が進む中、国が進める学校統廃合。

新校舎の整備費などに国の補助金が出るため、名古屋市でも2015年以降、5校が統合によってなくなりました。


都会では歴史が途絶える事を惜しむ声が上がる学校統廃合ですが、ここ恵那市のような中山間地域では「生活に直結する」切実な問題です。