西日本豪雨からまもなく5年。肱川の治水対策が急ピッチで進められています。
工事が完成すれば、同じ規模の豪雨に見舞われても川の氾濫を防ぐことはできるのでしょうか?
愛媛県の西予市と大洲市を流れる肱川は、2018年7月の西日本豪雨の際、上流の2つのダムで大規模な放流が行われた後、各地で氾濫が相次ぎ、流域で8人が死亡しました。
これを受け、国と県はおよそ370億円をかけて肱川とその支流などで治水対策工事を進めていて、その進ちょく状況が23日、報道陣に公開されました。
このうち、大洲市の東大洲地区を流れる矢落川では、およそ500メートルにわたって堤防をおよそ16メートルの高さにかさ上げする工事が行われ、このほど完成しました。
国交省担当者
「30年7月豪雨の当時は今よりも堤防が3.6メートル低い状況。暫定堤防というのを整備していたが、それよりも大きな洪水が来たので堤防からあふれた」
西日本豪雨の当時、堤防の高さが周辺より4メートル近く低かったため、川の水があふれました。
西日本豪雨で被害を受けた住民は-。
住民
「安心感がある。どれだけ水が出ても心配ない」
国土交通省によりますと、国が管理する区間の堤防整備は今年度末に完了する予定です。
また、西予市野村町の乙亥会館周辺の県が管理している区間では、肱川が増水した場合の流れを良くするため、川底の掘削が行われています。
また、川の幅をおよそ12メートル広げる予定で、用地の買収を進めていて、これから工事が始まります。
国交省によりますと、河道掘削や川の拡幅などを含む治水対策が完了すれば、西日本豪雨と同規模の雨が降っても肱川の越水はない見込みだということです。
以下、肱川の治水対策 進ちょく状況についてです。
国による堤防整備は、15の地区、全長6.9キロの区間で行われていて、今年度中に完成する予定です。
この他、川底の掘削や川の拡幅工事が行われる予定です。
国土交通省は、 これらの工事に加え、野村ダム、鹿野川ダムの操作見直しによって、西日本豪雨と同じ規模の雨が降っても「肱川は越水しなくなる」と説明しています。
さらに、肱川の支流では治水対策として、2032年度の完成を目指して山鳥坂ダムの建設も進められます。
一方、西日本豪雨では住民避難の課題が浮かび上がりました。
堤防やダムなどのハード面だけではなく、避難誘導や情報伝達についても各地で見直しが進められています。
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