■3日後、1週間後…「災害シナリオ」で避難生活をリアルに想定

自宅で避難生活を送る場合の「災害シナリオ」
▼発生直後 未固定の家具の転倒、エレベーター停止
▼3日後~  備蓄が枯渇し避難所へ移動、ゴミが回収されず悪臭が出る
▼1週間後~ 避難生活により心身の機能が低下し体調を崩す
▼1ヶ月後~ 体調を崩す人が増加、人手不足により自宅の修繕ができない


避難所で避難生活を送る場合の「災害シナリオ」
▼発生直後  地域の避難者に加え帰宅困難者も避難所へ殺到
▼3日後~  自宅にいた人も加わり避難者が増加、物資不足等でストレス
▼1週間後~ 高齢者や持病のある方の病状が悪化、避難者同士のトラブル増加
▼1か月後~ 自宅などへ戻り避難者が減少、略奪・窃盗など治安が悪化

規矩氏:
このようなシナリオを事前に知っていることによって、自分が覚悟することが重要だと思います。そうすれば無用なトラブルも減ってくるかもしれないし、妙案も出てくるのではないかと思います。

弁護士 八代英輝:
熊本地震のときも、直接の災害で亡くなった方の4倍が震災関連死で亡くなられていて、直後の3日間、1週間をどう過ごすかという想定は非常に大事だと思います。特に今、現状でもジェネリック医薬品が非常に足りない状況になっていますので、薬をどうしておくか考えることも必要だと思います。

俳優・タレント 副島淳:
地震の直後は防災意識もすごく高まって備蓄しておこうとなるが、どうしても年々経ってくると薄れてきてしまう。どこか他人事のようになってしまうところもあるので、危機感を持つためにこういうシナリオを想定しておくのは非常に大事だなと思います。

■もしスマホが使えなくなったら…連絡手段の確保は?

生活に欠かせないスマートフォンですが、通信に関する「災害シナリオ」によると…
▼発生直後  バッテリーが切れ 不通の地域が拡大
▼1週間後~ 計画停電・設備被害で利用困難継続の可能性
▼1か月後~ 順次回復

山村氏:
携帯が繋がらない場合を想定して、待ち合わせる場所や避難場所などを家族と事前に確認しておくことが重要です。
また、災害時用の特設電話が避難所に設置されます。2万5000か所に5万台の特設公衆電話が事前設置されていて電話機やケーブルが全部用意してあるので、携帯が使えないときには、避難所の公衆電話に行って連絡を取れるようにする。
できれば(被災地以外の)親戚や知人宅にみんなが連絡して、三角連絡法で連絡が取れるようにするなど、そういったことを含めて、ぜひ家族防災会議を開いて首都直下地震に備える対策を話し合ってほしいと思います。

規矩氏:
今回の想定は安心を与えるものではない。一方で決して危機を煽るものでもない。人間は経験したことを基にしか対応できないことがあるので、「災害シナリオ」で疑似体験的に地震の様子を理解していただいて、次の防災に役立てる。そういう目的で見ていただければ、かなりいいんじゃないかと思います。

(ひるおび 2022年5月26日放送より)