13年前、神戸市の路上で高校2年の男子生徒を刃物で殺害した罪に問われている男(当時17歳の元少年)の裁判員裁判の判決が、23日に言い渡されます。争点となっているのは殺意と責任能力の有無。これまでの法廷でのやり取りなどを振り返ります。

事件は2010年10月に起きました。神戸市北区の路上で高校2年生だった堤将太さん(当時16)が首などを、折りたたみ式ナイフで複数回刺され殺害されました。

事件発生から10年10か月後、事態が急転。おととし8月に当時17歳の元少年が逮捕されました。元少年の男は現在30歳ですが、犯行当時17歳だったため、実名を公表しないなど少年法が適用されています。

その後、約5か月間にわたって男の精神状態を調べる鑑定留置が行われ、神戸地検は「男に刑事責任能力がある」と判断して去年1月、男は殺人罪で起訴されました。

 6月7日から始まった裁判で、元少年の男は「男性を複数回刺したのは事実です、殺すつもりはありませんでした」と述べ、殺意を否認しました。弁護側は犯行当時「心神耗弱状態」だったと主張しました。

遺骨は今も自宅に…

堤将太さんの父親・敏さんは、「寂しい思いはさせたくない」と、今も息子の遺骨を自宅に置いています。

(堤将太さんの父親・敏さん)
「明るい、優しい、友達がいっぱいおって本当に普通の高校2年生の男の子」「末っ子ということもあって、一番うちではやんちゃな甘えたっていう子やった」