名古屋の入管施設で死亡したスリランカ人のウィシュマさんの遺族が国側を訴えている裁判。21日にウィシュマさんの様子を記録した監視カメラの映像が初めて法廷で公開されました。
ウィシュマさん映像 法廷で初公開 おう吐にうめき声も・・・

ウィシュマさん「あぶぶぶぶぶ・・・」
ベッドの上でうめき声をあげる収容中のウィシュマさん。
ウィシュマさん「あーかーぐー」
自ら体を動かすことができず、職員に介助を求めますが・・・。この10日後、ウィシュマさんは亡くなりました。

名古屋の入管施設に収容されていたスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさん。亡くなる約20日前の検査では、「飢餓状態」を示す値が出ていたことがわかっていますが、ウィシュマさんの死因は「病死だが特定は困難」とされています。
6月21日の法廷で初めて上映された映像は、2021年の2月22日、亡くなる約2週間前から始まっていました。

看護師「ちょっとずつでも食べるといいんだよ。食べるのは頑張らんと」
ウィシュマさん「できない。食べる食べる皆食べる。できれば私も食べたい」
すでにこの時、食事をとることが困難になっていました。
2月23日には、職員に支えられ、おう吐するウィシュマさん。今すぐに病院へ行き点滴を打ってほしいと繰り返し訴えます。
ウィシュマさん「病院に持っていって、病院に持っていって、きょうお願い。担当さん、セーライン(点滴)」
結局、一度も点滴が打たれることはありませんでした。
入管職員は、ウィシュマさんの一連の訴えを一時的に釈放される「仮放免に向けた誇張やアピール」と受け止めていたといいます。

2月26日にも・・・。ベッドから落ちた際、職員を呼びますが・・・
ウィシュマさん「ちょっと手伝って」
職員「今すぐは行けないから自分で立って頑張って」
ウィシュマさん「できない」
しばらくして現れたものの・・・
職員「自分で頑張るよ。私たちも頑張るけど自分も頑張るよ。自分で立たないと、自分で立たないと私たちは介助できないよ」
2人がかりで持ち上げますが、ベッドに戻すことができません。職員は、ウィシュマさんを床に寝かせたまま部屋から出ていきました。
3月に入るとウィシュマさんの症状は急激に悪化していきます。亡くなる4日前。