沖縄県北部に位置する大宜味村の喜如嘉。喜如嘉と言えば『芭蕉布の里』として知らせれていますが、他にも見所が満載なんです。近年ある方法でで集落を巡る観光に注目が集まっているといい、体験してきました。
喜如嘉の名所を案内してくれるのは、地元・喜如嘉育ちのガイド、稲福凜さん。

ガイドの稲福凜さん
「こちらの電動自転車を使ってゆっくりめぐっていきたいと思います」
電動自転車で喜如嘉をめぐるサイクリングツアーは、より深くより機動的に集落の魅力に触れてもらおうと『NPO法人おおぎみまるごとツーリズム協会』が去年から実施。
今回は、喜如嘉内にある4つの名所をめぐります。
與那嶺キャスター
「ホントでも静かなところですね!」
ガイドの稲福凜さん
「めっちゃ静かです、本当にもうのどかなので」

最初に訪れたのは、喜如嘉共同店。店内には、野菜や果物などの食料品のほか、店の一角には、喜如嘉の名産品も並んでいます。店を管理する区長の稲福さん。喜如嘉産の品物が入荷するといつも”あること”をしているそう―
喜如嘉区長 稲福隆さん
「喜如嘉区に伝わるマイクがありますので、電信柱に10いくつかのスピーカーがあって区内放送で住民に伝えるんです」
「共同売店がないとコンビニも近くにないので区民が困るんです。生活に困るような品物は絶対に欠かさないことは心がけている」
続いては、売店のすぐ隣にある高台『ヒンバ森』へ!そこの階段を上がっていくと東シナ海から田芋畑まで、集落を広く望むことができます。

やんばるを舞台にした”朝ドラ”のロケ地にもなったこの場所で、稲福さんが集落の歴史を教えてくれました。
ガイドの稲福凜さん
「元々あの辺りまで喜如嘉は海だった。産業のために開墾というか海を陸地にして、今の主な産業は、フトイとかオクラレルカが主になってきますね」
與那嶺キャスター
「ツアーの参加者を連れて来て、どんなことを感じてほしい?」
ガイドの稲福凜さん
「今の人って、私もそうなんですけど忙しいじゃないですか、何かと。なんとなくのんびりしてもらえたら良いなぁと思います」
一息ついたところで、次に向かったのが…
ガイドの稲福凜さん
「こちらが七滝になりまーす」

厳かな雰囲気に包まれる『七滝』。1700年代の歴史書“琉球国由来記”にも登場する神聖な場所。拝所に手を合わせた後、奥へ進んでいくと―
與那嶺キャスター
「結構迫力ありますね、すごい!七滝っていう名前の由来は?」
ガイドの稲福凜さん
「一番上から数えて、7回水の流れが変わる場所があるということから『七滝』という名前が付いたとは言われています」
七滝は、近年ではパワースポットとして知られるようになりましたが、今も地域の人々によって大切に守られています。
ガイドの稲福凜さん
「基本まぁやっぱり神聖な場所なので、地元の子たちも泳がないですし、雰囲気を楽しんでもらう。自然観察を楽しんでもらう場所にはなってきますね」
そして、最後にやってきたのは―
ガイドの稲福凜さん
「こっちの右手の方が芭蕉布会館になります。喜如嘉が誇る国指定重要無形文化財『芭蕉布』の魅力に触れることが出来ます」

400年以上の歴史を持つ芭蕉布。太平洋戦争で一時途絶えかけた伝統工芸は、戦後、後に”人間国宝”となる平良敏子さんら喜如嘉の女性たちによって復興され、大切に育まれてきました。
さらに会館の近くには、およそ1500帖分の糸芭蕉の畑が広がり、丁寧に管理されています。
喜如嘉芭蕉布事業協同組合・理事長の平良美恵子さんは、これからも地域を挙げて『芭蕉布』を守っていきたいと話します。

平良美恵子理事長
「少しでも糸芭蕉が植わっているところがあれば、愛でてほしい。皆さんに理解してもらって皆さんが賛同してもらえる布であればと思います。」
大宜味村喜如嘉を訪ねると地元の名所とその名所を温かく見守る人々に出会える新たな観光ツアーがありました。