人の力で山小屋や避難小屋に物資を運び上げる「歩荷(ぼっか)」。今シーズンの山開きが近づく岩手山で17日、この「歩荷」が競技形式で行われました。汗を流しながら荷物を背負ってひらすら山を登る。参加者を惹きつける魅力を探りました。

 17日午前7時前、岩手県滝沢市にある岩手山馬返し登山口に、食料やガソリンなどの物資を運ぶ人たちが集まっていました。歩荷の大会に参加する人たちです。


(岩手県山岳・スポーツクライミング協会 小野寺修専務理事)
「10月中旬まで八合目の小屋を開けますので、そこに管理人の荷物とか食料等々をみんな集まって運ぶという大会です」

 運びあげた物資の重さを競う歩荷の大会=「岩手山ボッカ大将」は毎年山開き前に行われていて、今回は県の山岳協会の加盟団体などから男女あわせて72人が参加しました。運ぶ物資の総重量は、およそ1.3トンにも上ります。
 物資を運び込む標高およそ1770メートルの八合目にある避難小屋は、コロナ禍前で年間2000人ほどが宿泊利用していて、ボランティアによって運営が支えられています。


 競技は男女別で行われ、午後4時までに1番重い荷物を運んだ人が優勝です。
 安全を考慮して男性は40キロ、女性は30キロを上限としていて、たとえば女性で30キロ背負って避難小屋に到達した人が複数いた場合は、年齢が上の人が優勝となります。
 今回、女性の部に参加する高橋瑞穂さんの歩荷にIBCのカメラが同行しました。