政府が今の国会の重要法案と位置付ける、防衛費増額の財源を確保するための法案が16日、参議院で可決、成立しました。防衛費をめぐっては財源の一つとして復興税の一部転用も懸念されていて、被災地からは複雑な声が上がっています。
岸田総理「今国会での解散は考えていない」
15日、いまの国会で衆議院を解散しない考えを示した岸田総理。一夜明け、16日の国会では、立憲民主党が岸田内閣に対する不信任案を衆議院に提出しましたが、与党などが否決しました。
与野党が攻防を繰り広げるなか、16日午前、参議院本会議で政府が重要と位置付ける法案が可決・成立しました。それが“防衛費の財源確保法”です。
この法律は、防衛力強化資金の創設を柱としていて、国有財産を売ったお金などを貯めて、防衛費に充てることができるようになります。また、防衛費増額のため、政府は財源の1つとして「復興特別所得税」の一部を転用し、課税期間を延長する方針です。
大熊町で暮らす伏見明義さんと妻の照さんも、複雑な心境を抱いています。

伏見明義さん「国を守るためにはしょうがないですけど、復興予算が削られなければ良いけど、復興もまだまだこれからなので」
2人は、2019年に故郷に戻りましたが、町の復興は、いまだ道半ばだと感じています。
妻・照さん「毎日(建物が)壊れていくのを見て、新しく直してもらっているところ。(復興に)時間がかかるのも分かる」
伏見明義さん「住民のことを考えて進めてほしい」
国を守る防衛費ですが、財源のあり方について政府には、被災地に寄り添った対応が求められています。














