錦澤さんたちは今、収穫後の出荷前選別作業を4時間かけて行っています。
【錦澤政伸さん】
「県外の大きい産地だと、しっかりしたすごい“選果場”がありますよ。きゅうりん館っていう選果場がすごい、桁違いです」

福島県にある大型自動選果施設「きゅうりん館」は、1日に90トンのキュウリを選別でき、農家の負担を大幅に減らしています。
26年前から稼働しているそうです。
大規模な施設の整備は、農業産出額アップに繋がっているのでしょうか。

山形県には2018年に「野菜ハウス団地」というものが誕生しています。
新たにキュウリ栽培を始める人に提供するハウスで、自分で土地の確保やハウスを建設しなくても良いことから、新規の就農がしやすいということです。

新潟県内では、枝豆などのごく一部の品目のみで「大規模選果場」の整備が進められています。
【新潟県農林水産部 神部淳農産園芸課長】
「大規模な施設を整備することで、農業者は生産に注力をする。その中で生産面積も生産量も増加することで収入が増えていく、そういった好循環が生まれるよう進めていきたい」
青山准教授は、ICT導入後のソフト面のサポートも重要だと指摘します。
【新潟食料農業大学 青山浩子講師】
「南区の結果を、ICT導入したいなと思っている生産者たちに情報公開して、その横で、データの取り方・生かし方・分析などをITに詳しい人が支える仕組みも大事ではないかなと思います」
新しいハウスでの挑戦を始めた錦澤さんも、これが産地を守る取り組みになればと期待しています。
【錦澤政伸さん】
「知識をみんなに教えることによってうまくできる方向に、早くいければいいだろうし」
共に働く村井順一さんは、自分のノウハウを教えてくれる錦澤さんの姿を見て「かっこいいですね」と話しますが、錦澤さんは「自分のできることしかやってないから、以上のことは何も…」と謙遜していますが…。
新たな挑戦に手を挙げたからこそ見えてきた『未来』へと向かって、錦澤さんは一歩ずつ歩みを進めています。
