「速やかな廃棄がきちんとした仕事」元書記官
裁判記録を管理する書記官として、25年あまり働いていた中矢正晴さん。
裁判の記録は事件によっては、いくつものロッカーを埋め尽くすほどにもなるといいます。

裁判所元書記官 中矢正晴さん
「すぐに置く場所がなくなるのをどうしようと。現場の意識は、保存期間が切れれば速やかに廃棄するのが『きちんとした仕事のあり方』だと 」
中矢さんは現場では『特別保存』は業務としてほとんど機能していなかったのではないかと話します。
裁判所元書記官 中矢さん
「実は特別保存があると強く教えられる場面は無い。記録が終わった後どうなるか、それほど意識していなかったというのが正しいのかな」
「記録は子どもが生きた証」遺族の思いは…

記録を廃棄された遺族は、やりきれない思いを抱えています。
神戸連続児童殺傷事件の遺族 土師守さん
「記録さえ残っていれば、いつかは法律改正があって見ることが叶うかもしれないという思いがありました」
神戸の事件で、息子の淳くんを殺害された土師守さんにとって、記録は『最後の砦』でした。

当時の少年審判では、遺族は参加も傍聴もできず、現在も記録を閲覧することは一切できないからです。
土師さんは、廃棄の背景に“少年事件特有の理由があったのではないか”と感じているといいます。

神戸連続児童殺傷事件の遺族 土師さん
「少年事件に関しては『忘れるため』ということがあると思う。早く廃棄したいというのがベースにあるのでは。それは違うでしょ、自分勝手だろと思う。事件記録は子どもが生きた『証』の1つだと思っています。亡くなるときの最後の状況を残しているのは、事件記録だけですので」
廃棄について調べていた、最高裁の有識者委員会は2023年5月、神戸の事件について、『廃棄時点で保存すべきと言う者もおらず、記録庫が狭いなどの理由で廃棄された』などと結論づけました。
重大事件の裁判記録廃棄 今後はどうしていくべきか

山本恵里伽キャスター:
調査ではこの一連の問題は、最高裁の不適切な対応に起因すると批判していまして、最高裁は今後について『保存の基準や判断時期の見直し』『専門家の意見を聞くため、常設の第三者委員会を設置』などを検討しています。
小説家 真山仁さん:
保存には限界があるので、国はこれ以上保存できないということを言った段階で、民間がそれをフォローしていく、そういう仕組みを作るべきだと思います。














