ことしは、▽ワイヤの下に雑草を防ぐシートを敷きました。

また、▽畑の面積を半分に減らして、ワイヤの段数を増やしました。

さらに、▽サツマイモなど野菜の苗は金属製の鉄柵で囲み、2重の守りにしました。去年、鉄柵の中の作物は無事だったからです。

馬場田真一 プロジェクトリーダー
― ずいぶん金がかかる?
「そうなんですよ。採算ベースでいえば絶対、合わない」

― どなたか、スポンサーを…

ふるさと楽舎の主な活動はコメ作りです。ことしも先月、関係者が集まって田植えをしました。

2年前からは収穫したコメで地域の酒「大林千年」を造り、活動費の一部をまかなっています。その活動は去年、地域づくりのモデルとして国から表彰されました。

先週末の夜、グループは、地域の子どもたちに声をかけ、ホタルの観察会を開きました。

参加した小学生
「けっこうまぶしかった。きれいだなと思いました」

実は、ホタルを観察した場所は、耕作放棄地でシカたちの “すみ家” です。

夜の食事では学生たちのためにシカ肉が用意されました。

学生ボランティア
「赤身が多いです」

馬場田さんが、冬に仕掛けたワナにかかったものです。

学生ボランティアたち
「筋肉質でおいしいですね」
「初めて食べたんですけど、おいしいです」

― ふつうに店で頼んで出てきたら食える?
「食べます」

― それはうれしい。

ふるさと楽舎 馬場田真一 プロジェクトリーダー
― ジビエとしてどうか?
「売ろうと思うとハードルが…。野生肉なので、ちょっとしんどいところはありますけど、資源とみたら『あり』かなとは思います」

試行錯誤の活動…、キーワードは “資源” です。

馬場田真一 プロジェクトリーダー
「目の前に見えている、ちょっと密になった林というか、森というか、このままだとよくはないけど、手を入れれば資源っていう考え方もとれると思うので。わたしには資源の山に見えます」

この日、植えた花や野菜の苗は、休耕地という資源をどう変えてくれるのか? ことしもシカとの戦い、スタートです。

― ふるさと楽舎では、20アールでコメ作りを、15アールで花・野菜の栽培に取り組んでいます。ことしは今のところ、シカの被害は出ていないということです。

― メンバーはそれぞれ仕事を持っていますが、休耕地再生の活動を広げるために3年後のビジネス化を目指しています。すでに始めている酒の製造のほか、地域の資源を活用した新商品の開発などに試みています。