「修正案」での可決は保守派への配慮か

小川彩佳キャスター:
可決された法案に加えられた「すべての国民の安心に留意する」という一文など、様々な批判の声が高まっています。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
もともと、超党派の合意案と実行案があって、日本維新の会と国民民主党の案があって、少しは中間に歩み寄ってくるのかなと思ったら最後、結果的にはトーンダウンをしてしまって当事者の人たちの不満が募るだけになったということです。

一見すると、「すべての国民が安心して」というのは何となくいいようなものに見えるんですが、保守派の人たちからすると、LGBTの人たちによるトラブルが起きた場合、この条文に反するという理由で規制していこうという風に捉えられるわけです。
結局、この法案を巡っては、一歩前進というはずだったのに、最終的には当事者の方々の不満だけが募るという形になってしまいました。

小川キャスター:
当事者の方の不安が高まる方になってしまう。いったいこれでは誰のための何のための法案なんだという風にも感じます。この可決された修正案にはさらに自民党の中から不満の声があがっています。

星浩氏:
二点ほど指摘したいのは、やっぱり自民党の中からこの機会に、LGBT教育に対して、教育現場に対して注文をつけていこうという動きもあり、それが果たしてどうなのか、非常に問題をはらんでいると思います。

ただ今回の議論によって各党の立ち位置が分かりましたので、近くあるであろう総選挙に向けて各党は自分たちの意見をきちんと明確にして、有権者はそれをきちっと判断をするということが必要になってくると思います。