相次ぐトラブルは「マイナ保険証」でも。国は「現場のヒューマンエラー」と強調していますが、登録の誤りが判明した保健組合がJNNの取材に応じ、その背景を明かしました。
兵庫県の職員が加入する「地方職員共済組合」。先月、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に、別の人の情報を紐付けていたことが発覚しました。
地方職員共済組合兵庫県支部 飯塚知香子事務長
「マイナンバーとの連携ということで、生じうるリスクの評価が必ずしも十分でなく、保険者として大変重大に受け止めておわびをしたい」
こちらではマイナ保険証の登録を行う際、国のシステムを使ってマイナンバーと個人情報を照会する作業を行っています。今回のミスは職員が一連の作業中に、本人とは異なる「生年月日」を誤って入力したことで起きました。
地方職員共済組合兵庫県支部 飯塚知香子事務長
「誤った生年月日を持った、全く同じお名前の同じ性別の方がいらっしゃった。その誤った情報のまま連携をしてしまった」
マイナ保険証ではトラブルの報告が相次いでいて、▼個人情報の誤登録がおよそ7300件、▼このうち他人に情報を閲覧されたケースが5件判明しています。
国はこうしたミスの原因は、あくまで現場の“ヒューマンエラー”と強調。
加藤厚労大臣
「本来の事務処理とは異なる方法で行ったことによるものであり、誠に遺憾」
マイナンバーを照会する際は「氏名」や「生年月日」だけではなく、「住所」なども併せて確認するよう求めました。ただ、1人暮らしの学生など住民票と実際の住所が異なるケースも多く、その場合は職員が1件1件、手作業で確認する必要が生じます。
地方職員共済組合兵庫県支部 飯塚知香子事務長
「誤りの確認の作業量・件数も非常に多い。ミスをゼロにするということは、正直なところ言い切れない部分があります」
この共済組合では国のシステムへの照会で“一致しない”とされた、1000件以上の個人情報を精査する中でミスが起きました。
地方職員共済組合兵庫県支部 飯塚知香子事務長
「1個1個それでいいのかということを目視・本人への確認・既存資料への照合などを行って、一つ一つ潰していく。勤務時間も午後10時11時というか、夜中に近いところまでの連続的な作業になる。業務の負担度としては大変、大きいものがあった」
専門家は、相次ぐトラブルの背景には“現場任せ”になっている政策の進め方にも原因があると指摘します。
城西大学 塚越健司助教
「性急にこのマイナ保険証あるいは、マイナンバーカード進めてきたので、やっぱり現場で働いている人にしわ寄せがきてしまっている。ヒューマンエラーを減らしたいんだったら『マイナポイント』ではなくて、実際に働いている現場の人たちに還元するという方法は絶対的に必要」
今の保険証は来年秋に廃止される予定です。このままでトラブルなく「マイナ保険証」に一本化することはできるのでしょうか?
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