ウクライナのダム決壊は想像以上に甚大な被害をもたらしている。ウクライナ政府は決壊直後に国家安全保障国防会議を開き、対応を検討した。番組では緊急会議に出席していた政府高官の一人に直接インタビューした。
「これは生態系への破壊行為“エコサイド”」

国家安全保障国防会議 オレクシ・ダニロフ書記
「6日の朝、2時50分にロシアがカホフカ水力発電所を破壊しました。4万5000人の住民に対する大きな脅威で、ウクライナの大統領はすぐに国家安全保障会議を開いてテロの被害者をどう救うか決断しました。現在のところ2000人が避難し、まだ避難は続いています。水が2、3日の間流れ続けるのでこの悲劇の影響は予測しにくいです。今回の悲劇の結果は市民にとって非常に破壊的なものになるかもしれません。」

会議では、ダムの破壊はロシアによるテロ行為であることが前提として話された。また、決壊したダムはザポリージャ原発に原子炉の冷却水を供給していることから、原子力発電所に関する報告もあった。

国家安全保障国防会議 オレクシ・ダニロフ書記
「会議中、ウクライナの全原子力発電所の管理者から報告を受けました。ザポリージャ原子力発電所の運用に供給される水は実際にダムの貯水池から採取されますが、発電所は余裕を持たせたシステムで構築されているため2~3か月の間は原発に問題はありません。特に原子炉の冷却水は確保されているので大きな問題は存在しません。これは生態系への破壊行為“エコサイド”です。多くの動物が死に、水に流され命を奪われた動物が数えきれないほどいました。」