9日にはLGBT理解増進法案が審議入り
井上貴博キャスター:
星さんの話を伺っても、日本の政治、立法府は周回遅れのような状況なわけじゃないですか。保守派への配慮があり、議員のなかには「変えなきゃいけない」と思っている方もいますが、変えられない。
そういったなかでの司法判断というのは、今回の文面を見ていても、国民の理解はかなり浸透していると指摘がなされています。同性婚がどうかという議論はいろいろあってもいいと思いますが、権利は平等に与えて然るべきで、そこをまずは議論していただきたいなと。
星さん:
諸外国でも多くの国が同性婚を認める傾向にありますし、好きな人と一緒にいる・一緒に結婚できるというのは、人間の基本的な権利だと思うんですよね。そのあたりを認めていくことに関しては政治の判断が明らかに遅れていますので、少なくとも議論をして解決策を見出していくことが、政治の責任ではないでしょうか。

加藤キャスター:
一方、国会では、9日にLGBT理解増進法案が審議入りします。LGBTなど、性的マイノリティへの理解を増進するための法案です。
自民・公明案、立憲・共産などの案、そして維新・国民案という3つの案が国会に提出され、9日に衆議院内閣委員会で採決されるということです。
ホランキャスター:
この3つの案の違いなどは、何か明確にありますか?
星さん:
性自認という言葉を少し和らげるようなことと、他にもいくつか基本的なことがありますが、もともと与野党で合意しているのは立憲・共産が提出している案を、自民・公明が少しトーンダウンさせたものですね。
諸外国でもこうした法案は当然通っていますし、LGBTの対象の方々は約7~8%といわれていますが、これはだいたい左利きの人やAB型の人と同じぐらいの割合で、そんなに特異なケースではありません。この基本法に基づいて具体的な政策を進めていくというのは一歩前進、というよりも0.5歩ぐらい前進ということだと思いますね。
井上キャスター:
綺麗事なしに政治が変わっていく、政府・与党が踏み出していくにあたっての起点は何ですか?
星さん:
むしろ最近だと、世論のほうが先行しています。選挙もいずれ予定されていますから、世論がどれだけ政治家に影響を与えていくかというのもあると思いますね。
井上キャスター:
この司法判断は大きいと考えてよろしいですか?
星さん:
大きいですね。