セクハラ行為を指摘されている沖縄県南城市の市長が女性職員に“口止め”を図る音声データを入手しました。

南城市の古謝景春市長は、市が設置した第三者委員会で職員へのセクハラを認定されていますが、その報告内容を否定し、辞職を拒否してきました。しかし…

【音声】
市長
「だからそれ以外変なことやられてないって言ってね」
女性
「ハグとかされたことですか?」
市長
「そうそうそう、ハグはやったさ。あんたが(議員に)言ってるのかと思って」
女性
「私にした時のこと?」
市長
「あんたが言ってなかったら僕はずっと否定するからさ。誰かが言っている可能性があるからさ。ねえ、言ってないよね?」
女性
「第三者委員会には言っていな…」
市長
「あ?」
女性
「第三者委員会には言っていなくて」

音声では、市長が女性に対しハグしたことを認めつつ、キスなどを念頭に「変なことやられていないって言ってね」などと、口外しないよう迫る様子が分かります。

問題をめぐっては今年5月、古謝市長によるキスや太ももを触るなどのセクハラ行為の訴えについて、第三者委員会が行為は「全てあった」と認定。市長への権限集中と長期在任による影響などが原因だとして、市長に辞職を提言していました。

第三者委員会 赤嶺真也 委員長
「再発防止・雇用管理上の対応措置として古謝市長が辞職して、今後、南城市の市政に関与しないことが最も有効と考え提言した」

これに対し、古謝市長は「事実と異なる」として辞職を拒否。「セクハラなどを申告しやすい環境づくりに取り込む」などと再発防止策を掲げていました。

しかし、こうした音声データは第三者委員会の提言から3か月後の8月から今月にかけ、複数存在。「セクハラなどを申告しやすい環境」づくりに逆行するかのような“告発者探し”と“口止め”を、市長自ら行っていた疑いが強まっています。

【音声】
市長
「かわいいから、4年ぶりに会うから、うれしかったわけさ。娘のように思っているからさぁ」

女性は今月、休職に追い込まれたといいます。被害女性の関係者は「密室で脅すようにもみ消そうとされ、胸が痛くなる。被害者は自分たちだけじゃない」と訴えています。

市議会ではこれまで3度、古謝市長に対する不信任決議案を否決してきましたが、今週金曜日に4度目の不信任決議案が提出される見通しです。