コロナ禍による生活環境の変化で、今、働く世代に「アルコール依存症」と診断される人が増えています。「24時間、お酒のことしか考えない」。家庭まで崩壊した男性に何があったのか?話を聞きました。
■「まさか自分が」24時間お酒のことしか考えられず家庭も崩壊
都内の会社で働く30代の男性。2021年5月、「アルコール依存症」と診断されました。
診断された男性
「お酒を飲んでいるときに使っていたワインセラーは常にいっぱいで。1本飲むと1本追加して、常に8本入っていないと不安でした」
山本恵里伽キャスター
「1日どのくらい飲んでいた?」
診断された男性
「最初の方は例えばビール4缶とかそのくらいなんですけど。だんだん増えていって、最後の方はワインで3本とか。ほとんどお酒のことしか考えていないですね。24時間」
酒量が増えたきっかけは在宅勤務でした。コロナ前は会社帰りに店で週2~3回飲む程度でしたが、気付くと毎日家で飲むようになりました。
診断された男性
「平日は仕事が夕方に終わったら基本的には寝るまで飲んでいて。土日は午前中にお酒を買いに行って、12時くらいの昼ご飯から一緒に飲みだして、寝るまで飲んでいる生活だったので。(コロナで)店もやってなかったり、そういう意味でもストレス発散ができていなかったかなと」

生活の変化にストレスを感じ、お酒を“はけ口”にしていたと言います。
生活が荒れだすと、一緒に暮らしていた妻と子どもは家を出て行きました。
診断された男性
「去年の秋に離婚した。お酒飲んでいるので覚えていないところも多いんですけど、家族に対して言葉が荒くなったり。その間、元妻が家事・子育て全部やっていたと思うので、そういうところに嫌気が差したというところで、『今後一緒にいられないよ』と」
今、男性はアルコール依存症の専門外来で飲酒の欲求を抑える薬をもらい、1年近くお酒を断つことができているといいますが・・・
診断された男性
「今、1杯目を飲みたいという衝動はないが、1杯飲んだら1杯で止まることもないと思っています。今でもたぶん1杯飲めば、前のように戻ると確信している」
山本キャスター
「それまでアルコール依存症にどんなイメージを持っていた?」
診断された男性
「アルコールで仕事を休む人とか、そういう人がアルコール依存症なんだろうなと理解していました。まさか自分が、と思うので」