「夕食はいらない」と書かれたカレンダー

原告代理人 松丸正 弁護士:「長時間労働が生じていたとしても最後のぎりぎりのところまで、会社の支援のしっかりした体制ができていなかった。その結果として100時間を超える長時間労働が生まれている。過度な過労やストレスが蓄積したことについての勤務先の北陸電気工事に責任を問う」

これは男性とその妻がつけていた卓上カレンダー。「夕×」と記されたのは、「夕食はいらない」という意味で、残業が増え深夜に帰宅することが多くなった男性が事前にカレンダーに書き込んでいたものです。

男性が亡くなる前の11月は1か月で21日。大半が埋まった翌月に、男性は自宅で倒れました。

男性が亡くなる前の妻とのやり取りでは…。

夫:「会社に進退伺い出さんなんかな」
妻:「それだけ辛いなら会社やめたら、私が会社に言ってこようか」

夫:「仕事がうまくいかないのは自分の仕事が遅いからだ」

妻:「それだけつらいなら、会社やめたら私が会社に言ってこようか…」

妻はそれ以上話すと、かえって男性を精神的に追い込んでしまうと考え、それ以上の話はできなかったといいます。