無期懲役囚65人の身元引受人、更生保護施設の園長は…

無期懲役囚達が出所後身を寄せる更生保護施設『古松園』。仮釈放になっても“無期懲役”は一生続く。定期的に保護司との面接が必要だ。

岩戸顕園長は服役中の無期懲役囚65人の身元引受人だが、仮釈放の壁は厚い。

更生保護施設『古松園』岩戸顕 園長
「刑務所にいる間に、出られないけど、ここで引き受けてくれるんだと、夢を見て生活できれば…」

この日、岩戸園長は岡山刑務所で面接を行った。

身元引受人がいることが仮釈放の最低条件になる。無期懲役囚達は藁をも掴む思いで臨む。厳しい質問が続く。

岩戸園長
「共犯は今どうなってるのかな?」
無期懲役囚
「もう確定です」
岩戸園長
「どんな刑?」
無期懲役囚
「(共犯は)死刑です」
岩戸園長
「それ相当の事件なんだな。亡くなった人に対して、一生かけて償いをしなければいけないな。事件がちょっとひどいな。ドラム缶に入れてコンクリートを流し込んだ時は(被害者は)生きてたんじゃないか」

岩戸園長
「(猟奇的すぎて)読めないような記録もありますよ」

結局、岩戸園長は仮釈放が実現するかどうかは分からない2人の身元引受人になった。

仮釈放中に無期懲役囚が起こす凶悪な事件も厳罰化に拍車をかけた。元検察幹部が、ある事件で“更生の可能性無し”と判断した経緯を語った。

元最高検幹部
「飲食店の女性経営者が頭をハンマーで激しく殴打された強盗殺人事件が起きました。店内には頭の骨片が飛び散っていました。犯人は強盗殺人で服役、仮釈放から3か月の無期懲役囚でした。彼は『検事さん、オレは殺人をやめられない。ハエを叩き落とすようなものだ』と言い放ちました。“ハエ?”私は死刑求刑を全く躊躇しませんでした。1審で求刑通り死刑判決が出ました。彼は控訴しませんでした。そして死刑が執行されました」