それでも北朝鮮が求める“偵察軍事衛星” 狙いは?
2021年の党大会で示された、核・ミサイル開発の『5か年計画』の一環とされる軍事偵察衛星の運用。
アメリカや韓国を意識した計画だと専門家はいう。

慶應義塾大学 礒崎敦仁教授
「北朝鮮は韓国との体制間競争を常に意識せざるを得ない。朝鮮半島の安全保障、軍事情勢において北朝鮮が劣勢であることを認めたくない」
「ミサイルを実戦のことを考えた時に、正確に敵に打ち込むためにはどうすればいいかを考えると、米韓の動きをリアルタイムに把握したいという思いがある」
上空から米韓の軍事行動を監視し、標的を正確に捉えるための“目”として“軍事偵察衛星”が必要なのだ。
北朝鮮が過去に“衛星”と称して打ち上げを行ったのは、1998年から2016年までの5回に及ぶ。唯一“失敗”したと発表したのが、2012年4月。金正恩氏が最高指導者に就任したタイミングだった。
19か国から170人もの報道陣を受け入れ、発射場や管制センターまで公開していたが…

朝鮮中央テレビ
「衛星を軌道に乗せることが出来なかった」
その8か月後、再び打ち上げを行い、成功したことを大々的に報じた。
今回初めて“軍事目的”だと掲げた北朝鮮。「早い時期に2回目を断行する」としている。
「日本はアメリカに対して外交的な努力を」
2回目の打ち上げ時期について…
慶應義塾大学 礒崎教授
「タイミングを読むことはできないですが、11年前に失敗した時の教訓からすると、その8か月後に打っている。それよりは短い期間で打ってくると思います。ただ彼らは今回行ったように、打つとすれば、また周辺国、日本に対しても通告をする可能性が高い」
軍事力の強化を図る北朝鮮に対し、国際社会はどう対応すべきなのか。

慶應義塾大学 礒崎教授
「北朝鮮は経済的に厳しいから、技術力も問題があるから…そういう初歩的な段階に過ぎないと見ていたら、世界で9か国目の事実上の核保有国となってしまった。ICBMも5か国しか持っていなかったが、6か国目に入ってしまった」
「日本はアメリカに対して外交的な努力をしてほしい。少なくとも、初めて米朝首脳会談が行われた2018年はただの一度も北朝鮮が弾道ミサイルを打っていない。アメリカと交渉している以上は、北朝鮮も我慢せざるを得なかった。北朝鮮問題が重要な段階に至っているんだということを(日本が)アメリカに働きかけることは重要」

















