ハーバード大卒の元外交官という“皇太子妃”の誕生に日本中が沸き立った日から30年。天皇皇后両陛下は6月9日に結婚30年を迎えられる。それに先立ち両陛下と愛子さまはそろって”結婚30年の特別展”を訪問された。愛子さまの誕生、皇后さまの長期療養、そして陛下の即位―様々なことがあったこの30年の歩みを、ご一家はどのような思いでご覧になったのだろうか。愛子さまが陛下にプロポーズの再現をリクエストするなど、普段はあまり目にすることがない、ご一家の仲むつまじくユーモアあふれるやりとりがあった。

天皇ご一家“リンクコーデ”で閉館後のデパートを訪問

天皇皇后両陛下と長女の愛子さまは、5月30日、即位5年と結婚30年を記念した特別展を鑑賞するため、東京・日本橋の百貨店・高島屋をそろって訪問された。午後8時半すぎ、ご一家は閉館後の高島屋に、いつものように色を合わせた“リンクコーデ”で到着された。天皇陛下はブルーのシャツ、皇后さまは薄い水色のパンツスーツ、そして愛子さまは同じく薄い水色のスカートスーツ姿だった。

皇后さま「なんかちょっと恥ずかしい」結婚パレードのオープンカーに笑顔

一階ホールには、両陛下の結婚パレード時に使われたロールスロイス社製のオープンカーが展示されている。初めて実物をご覧になったという愛子さまが熱心に両陛下に質問されていた。オープンカーの後ろにはパレード時の両陛下の大きな写真が飾られていて、当時の映像が流れていた。

両陛下は少し照れくさそうにその映像をご覧になったあと、「はい」「うふふ」と言いながら次の会場へと移動され始めた。順路にいた記者団と目が合うと、ご一家は笑みを浮かべて会釈をし、予定にはなかったが記者団の前で足を止められた。記者団の「懐かしくご覧になりましたか?」との問いかけに、陛下は「懐かしいですね」と答え、皇后さまは「なんかちょっと恥ずかしいですね」とほほえまれた。その場は笑いに包まれ、とても和やかな取材現場となった。