七戸
「大山総裁が教えることの基本は、正拳と丹田。(※丹田とは、ヘソから約5㎝下の部分)白帯の時の稽古中に、大山総裁が、ここ!丹田!といってくる。稽古のレベルがやっぱり全然違う」

当時185センチ86キロの七戸は、総裁から期待されていた。入門から半年で、黄帯、茶帯と大きく昇級。全日本大会で先輩を抑えて出場。黒帯には昇格したものの、逃げの気持ちから、大会での成績では結果を残せなかった。

七戸
「先輩がいうのは、優勝じゃなきゃダメだ」

さらに稽古を積み重ねた七戸は、先輩の勧めで第1回全日本ウエイト制重量級に出場。見事に優勝を飾る。第16回全日本大会では尊敬する三瓶啓二という先輩と死闘を繰り広げ、敢闘賞を獲得。数々の輝かしい成績を重ねた七戸に、人生の転機が訪れる。

人生の転機 背中を押した妻の言葉

七戸
「先輩がね、『七戸、沖縄支部長やらないか?』と言ってきた。でも正直、沖縄わかんないです。どんな場所かもわからない」

七戸に沖縄支部長の話が舞い込んだのだ。しかし沖縄行きに躊躇する七戸。
その背中を押したのが妻の一言だった…