福島が誇る、日本酒。福島県会津若松市のIT企業では、デジタル技術を活用し、自動でお酌をしてくれる装置を開発しました。従来の飲み方に捕らわれない、日本酒の新たな楽しみ方を発信しています。
自動でお酌で「省力化」
会津若松市に今年3月にオープンした、日本酒専門の居酒屋。会津地方にある32の地酒が楽しめるこの店には、最新の技術が導入されています。
空のおちょこを手に、日本酒が並ぶ棚へ向かうと…。

「(QRコードをかざして)ピ!」
機械が自動でお酒を注いでくれます。その名も日本酒ディスペンサー「のまっせ」。

この装置には、デジタル技術が活用されていて、専用のカードをかざすとお酒を注ぐ仕組みとなっています。
利用者「すごく楽しい。ちょうどいいくらいに止まると思わなかったので、びっくりしました」
利用者「結構新しい物が好きなので、このような機械チックなものにすごくワクワクする」
開発したのは、市内のIT起業「シンク」の成田智一さんです。

成田智一さん「これまでの日本酒の飲み方に捕らわれない新しい楽しみ方を創造できるものだと思っています」
会津大学の卒業生が起業した「シンク」。2019年から日本酒にデジタル技術の活用を模索していました。そこには、あるきっかけが…。
成田さん「とある旅館様の方から、日本酒の飲み放題をやりたい、かつ省力化も行いたいというオーダーをいただいたのがきっかけになります」
全国的に高い評価を受ける福島の日本酒。しかし、飲食店や旅館では、慢性的な人手不足が課題となっているといいます。
成田さん「例えば日本酒の飲み放題だと、お客様のコップが空いた時点で仲居さんがお客様の所にいってせわしなくお酒を注ぐという行為が必要になります」

「お酌にかかる労力を減らす」。そこで誕生したのが、「のまっせ」でした。
しかし、日本酒文化ならではの課題も…。