自分の気持ちを伝えられない“もどかしさ”から生まれた『きもちのナビ帳』

個別についた担当スタッフも大きな支えになりました。

県拠点型子どもの居場所運営事業 津嘉山さん「ほかの子もそうですが、参加した時に見ず知らずの子が集まっているので、多少緊張とか対人コミュニケーションの不安とかあったので、支援として中間に立った。お昼時間になるとみんなでカードゲームで遊ぶんですが、それに参加したり」

積極的に通っていた津波さんですが、ある日問題に直面します。なんとなく休みを取りたくてスタッフに連絡をいれたところ…

津波夢乃さん「理由を知りたいといわれて、予定があるわけでも体調が悪いわけでもないけど行きたくないという気持ちを言語化できなくて」

どうしたら自分の気持ちを言葉にして相手に伝えることができるのか。考え抜いた結果、生まれたのが『きもちのナビ帳』でした。

気持ちを整理する欄に加え、あらかじめ感情を表す言葉がいくつも準備されており、そこから選べるようになっています。

津波夢乃さん「これがあると選ぶだけでできる」

このアイテムの実現化のためのサポーターもいます。1年後輩の山本さんは、学校のオンライン掲示板にのせた津波さんの呼び掛け文をみて、このプロジェクトへの参加を決めました。

N高2年 山本絢心「発達障害とかそういうのについては詳しくないけど、募集しているときに津波さんが何かその障害を持っているけど、それを盾にしたくないみたいなことをいっててすごくカッコイイな。なんか出したらすごいなんか優しさにあふれたプロジェクトだなというか、すごい情熱とかも感じますし、優しさっていうのがまず一番感じます」

インクルーシブな社会を目指す団体の代表で慶応大学の寺澤さんも協力に名乗りを上げました。

慶應大学2年 寺澤さん「その言語ができない、あの人がどういう状況にあるのかっていうのを、やっぱり知らなければならない、社会的に知るべき。無理なく子供の気持ちをちゃんと理解してあげる。そこの助けになるっていう意味でもすごい」

津波さんの商品開発の取り組みをそばでみていた津嘉山さん。

津嘉山さん「自己理解の充実度、到達度がプロジェクトにつながっている。彼女の自分自身に対する理解がすごく高くてそこが強み」

津波夢乃さん「クラウドファンディングを成功させて、きもちのナビ帳をひとりでも多くに届けて、ひとりでも多くの人が楽になったらいいな」

クラウドファンディングの目標額まであとわずか(5月26日時点)。彼女の想いは確実に人々に届き始めています。