再建工事が進む首里城正殿の内部の映像が14日、報道陣に公開されました。火災で消失した後、正殿内部の作業の様子が公開されるのは、今回が初めてです。


国王の玉座にゆっくりと龍柱を設置する宮大工。14日に初公開された首里城正殿内部です。

国の沖縄総合事務局は、首里城正殿の再建工事について、これまで品質の確保や作業スペースが限られていることなどから正殿内部の作業状況は公開していませんでした。

今回公開された映像は、国営沖縄記念公園事務所が撮影したもので、去年9月から今月6日までに実施された正殿2階にある玉座部分の木工事の様子が中心となっています。


このうち正殿2階の御差床(うさすか)は、沖縄文化の研究者・鎌倉芳太郎の写真をもとに柱の形状が長靴の先のような丸みを帯びた形になっていて、新たな知見によって平成の復元では実現できなかった施しも見ることができます。

このほか、玉座の背景に当たる部分では、漆職人が中塗りを行う様子も収められていました。

▼首里城正殿復元工事 総棟梁・山本信幸さん「竣工してできたときに特に沖縄の方が『あ、戻ってきたな』ということをちょっとつぶやいていただくだけでも私は一番の褒め言葉かなと思っています」

沖縄総合事務局は、来月にもさらに進んだ内部の塗装の様子を公開する予定で、来年秋の完成に向け、機運を高めていきたいとしています。