『驚き・不機嫌・緊張・悲しい…』

普段の生活でこれらの感情を、私たちは当たり前に言葉で表現していますが、苦手な人もいます。こうした人たちの手助けになる『きもちのナビ帳』を企画開発し、必要な人に無料配布しようとクラウドファンディングに挑戦している高校生がいます。

津波夢乃さん。18歳。通信制のN高校の3年生です。

N高校3年 津波夢乃さん「感情もそうですが、言語化が得意ではない。最近どう?とか、なんで?とか、これどう思うとか聞かれても時間がかかることはあります」

あいまいな表現や、言葉によるコミュニケーションが得意ではなく、視界からの情報や音にも敏感で、外出時に音を遮断するイヤーマフをつけることもあります。

これらは発達障害の特徴のひとつで、津波さん自身、発達障害を抱えて暮らしています。

特徴や苦手とすることが広範囲におよび、『自分勝手』や『変わった人』と誤解されることがありますが、それは親のしつけや教育の問題ではなく、脳機能の障害によるものです。

大なり小なり人は苦手や不得意がありますが、発達障害の場合、苦手な部分が強くあらわれる傾向があります。さらに、克服できないもどかしさは、本人にとっては大きなストレスとなります。

津波さんは音や視界から入ってくる情報に敏感に反応してしまう特性に加え、中学に上がると交友関係や人間関係が複雑になり、学校生活が苦痛になっていきました。

津波夢乃さん「疲れたなと寝込んじゃう」

家に帰ると、その日のうまく整理できない気持ちのもやもやを発散するために…

津波夢乃さん「ずっとペンをもってぐちゃぐちゃと。よく悩んだ漫画家がやるような、どうしたらいいかわからなくてぐちゃぐちゃを10分ぐらいやっていた」
Q家族が心配するのでは?
「心配すると思うのでばれないようにやっていました」

勉強も友だちも大好きでしたが、中学2年から不登校に。

津波夢乃さん「今まで行けてたり、みんなは行ってるのにいけないのがすごくつらい」

結局登校できないまま中学を卒業し、通信制の高校へ進学。そこで転機が訪れます。性格分析やさまざまなスキルを自分のペースで学べる、県主催のキャリアアップ講座に出会ったのです。