アメリカの投資ファンド、いわゆる“物言う株主”との対立が続いていたセブン&アイ・ホールディングスは株主総会を開き、“物言う株主”が経営陣の退任を求めた株主提案を否決しました。
きょう、都内で行われたセブン&アイ・ホールディングスの株主総会。去年より180人以上多い、436人が出席し、多くの報道陣が集まるなど注目が集まっていました。
バリューアクト・キャピタル
「なぜ、セブン-イレブンの切り離しを進めないのか」
“物言う株主”として知られるアメリカの投資ファンド「バリューアクト・キャピタル」。セブン&アイに対し、グループからコンビニ事業を独立させ、経営資源を集中させるよう主張し、井阪社長らの退任を求める株主提案を行ったのです。
これに対し、セブン&アイはコンビニの成長にスーパーの協力は不可欠だとして、コンビニ事業の切り離しに反対。社長らの続投を株主に呼びかけ、委任状の争奪戦が過熱するなど、総会での採決の行方が焦点となっていました。
セブン&アイHD 井阪隆一 社長
「(Q.勝てますか?)どうでしょう。誠心誠意、株主に説明して、安心してお帰りいただけるようにしたい」
株主総会前、こう語った井阪社長。
その結果は、“物言う株主”の株主提案は否決され、井阪氏の続投が決まりました。ただ、井阪氏の続投に対する株主の賛成比率は76%で、90%を超えていた去年からは大きく低下しました。
株主
「(会社側は)スーパーを持ってることによって、そのシナジー効果があると。全然ないと思う」
「イトーヨーカ堂が赤字なのにまだ引っ張っている。企業体質をもっと変えてほしい」
ひとまず株主総会を乗り切った形の経営陣ですが、大きな課題に直面しています。
【セブン&アイHD 井阪社長続投 今後の課題は?】
株主総会で「世界トップクラスのグループへの飛躍を目指す」と繰り返し強調した井阪社長。続投後に待ち受けるのは、茨の道です。
第一の課題は低迷するスーパーストア事業の立て直しです。セブン&アイでは、コンビニ事業がグループ全体の90%以上の利益を稼ぐ一方、イトーヨーカ堂などスーパー事業の割合はわずか2%ほど。
イトーヨーカ堂については、店舗を大都市圏中心に集約するなどのリストラ策を発表しましたが、海外の投資家など株主らが納得できる成果を早期に出せるかが焦点です。
そして、第二の課題は傘下の百貨店、「そごう・西武」の売却です。すでに、海外の投資ファンドへの売却を決めたものの、地権者などとの交渉が難航し、これまでに2度、売却延期を余儀なくされました。
きょうの総会では「譲渡を中止する考えはない」と株主に説明しましたが、現在も売却完了の時期は示さず、「無期限延期」となっていて、先行きは不透明です。
売上げで11兆円を誇る国内屈指の流通グループが、“世界トップクラス”に成長できるのか。経営陣の手腕が問われるのはこれからです。
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