発生情報は最大30分程度前倒しで発表に

――発生情報について2023年に改善された点は?

「発生情報の基準が少し変更されました。これまでは、降っている雨が基準に達した時点で情報を発表するというものでした。2023年5月25日からは、実際に雨が降り始めてはいるものの、予測の段階、少し早い段階で雨の量、広さ、形状などが発表基準に達しそうだとわかった時点で情報が出るようになりました。それによって最大30分程度前倒しで線状降水帯発生情報が出せるところが新しいです。既に大雨になってしまっているという段階よりも少し前倒しで情報が発表されることで、避難行動に猶予が生まれる点が大事なポイントです。この発生情報が発表されたときは大雨になっていると認識して、行動に繋げてください」

――改善された発生情報の信頼性は?

「気象庁は過去のデータを使って、新しい基準で発生情報を出した場合の結果を検証しています。2019年7月~2022年10月の当時の予測データのうち、発生情報が出る条件になったものは171事例あったそうです。そのうち、98%にあたる167事例は実際に3時間で130ミリ以上、場所によっては土砂災害が発生し、河川の氾濫が起きるような大雨になっていたそうです。したがって、この情報が発表されたら、情報を信じていち早く行動をとってください。外に避難するのが難しい場合は、家の中で、今いる建物の中で少しでも高い所に避難するとか、命が助かるための行動をとってくださいというのが、線状降水帯発生情報です」