グローバルサウスが「一枚岩でない」こともサミットで明らかに

大和大学 佐々木正明教授: 一方でブラジルのルラ大統領には会えなかったです。決してグローバルサウスが一枚岩じゃないということも、サミットで明らかになったということです。

―――インドのモディ首相はこう言いました。「経済や政治の問題だけでなく、私にとっては人類の問題である、インドは解決のためにできる限りのことをするつもりだ」と。これはどんなことが考えられますか。

インドも15億人の人口を抱えていて、もしロシアから石油・ガスが得られないと国民が困る。果たしてG7、もしくは対ロ制裁網に加わる国が、代わりとなるインドに対して経済的な援助ができるか、そこにかかっている、そこ次第で「解決のためにできる限りのことをする」は実効力を持つのかなというふうに思います。

―――三つ目のポイント「核抑止」はいかがでしょうか。

ウクライナ侵攻2年目にサミットが広島で開かれた。偶然の一致が核抑止に繋がるというのは、21世紀の平和に資するというふうに私は感じています。今後、反転攻勢が大きくなって、ウクライナがロシアの支配地域を奪還していく中で、プーチン大統領が核を使う可能性がある。

この抑止についても、G7だけではなくてインド、ブラジル、グローバルサウスの国々が、「してはいけないよ」と、ロシアとの関係を踏まえる中で、ここでも歯止めにかかる可能性がある。となりますと、ロシア側の包囲網の外堀が埋まった。三つのポイントによって、外堀が埋まった転換点ではないかと感じています。