32年ぶりに日本選手の男子400mで44秒台が誕生するかもしれない。ゴールデングランプリ(GGP)2023横浜が5月21日、今年は横浜市の日産スタジアムを舞台に15種目が行われる。昨年の世界陸上オレゴン大会金メダリストが3人、男子100mのフレッド・カーリー(27、米国)、走幅跳の王嘉男(26、中国)、女子やり投のケルシー・リー・バーバー(31、豪州)が参戦。男子400mは44秒43の自己記録を持つポール・デドゥオ(31、米国)と、日本人選手の争いが盛り上がりそうだ。特に今季好調の中島佑気ジョセフ(21、東洋大4年)と佐藤拳太郎(28、富士通)には、45秒00の世界陸上ブダペスト参加標準記録突破が期待できる。44秒台が出れば日本記録(44秒78)保持者の高野進が、7位入賞した1991年世界陸上東京2次予選を44秒91で走って以来となる。
2大会を別の組で走って1勝1敗の中島と佐藤
佐藤拳太郎と中島佑気ジョセフの対決はタイム、勝敗とも注目したい。5月3日の静岡国際、5月6日の木南記念とも男子400mは3組タイムレースで行われ、両大会とも2人は別の組で直接対決できなかった。
静岡は2組トップの佐藤が45秒31(日本歴代7位)で、3組トップの中島が45秒46。木南は2組トップの佐藤が45秒55で、3組トップの中島が45秒39(日本歴代9位)。400mは100m、200m、110mハードルなどと違って記録に風速表示は付かないが、風の影響は大きく受ける。2人の差は静岡が0.15秒で木南が0.16秒。直接対決だったら勝敗はわからなかった、と思わせる差だった。
木南記念のレース後に中島は次のように話していた。
「同じ組で走りたかったですね。静岡は前の組の拳太郎さんがタイムを出して、僕も絶対にタイムを出すぞ、と思っていたので、前半からしっかり走るんだ、と思って行きました。その意識が強すぎて力んでしまい、ラストでタレてしまった。今日は前半を、同じスピードでも力感を減らして走ることができましたね」
静岡では200m通過が「リアクションを含めて21秒6くらい」だった。木南は筆者の計測で21秒7だった。風の影響も受けるので断定はできないが、中島のスピード感覚は正しかった。