「追い風のとき、それも右側から若干の追い風が吹くといいのかな」

ーー3試合目となるゴールデングランプリ(GGP)の位置づけや目標は?
北口選手:
織田記念、木南記念よりもしっかり準備をして臨む大会になります。それも夏の大会で良い記録を出すための1つの試しなんですが、どう調整して臨むかを一度やってみて、どうなるかを見たいと思っています。できれば日本記録(66m00)くらい投げられたらいいな、とは思っています。

ーー世界陸上2連勝中のバーバー選手と対戦することになります。昨年は5月のGGP、6月のダイヤモンドリーグ・パリ大会と北口選手が2連勝しましたが、7月の世界陸上オレゴンではバーバー選手に3m半の差で敗れています。
北口選手:
強いのはわかっていますから(笑)。オレゴンの予選は私の方が3m良かったのですが…一番決勝で変わるタイプの選手です。(予選を10番目で通過して決勝で66m56を投げた)世界陸上ドーハが全てを物語っています。去年もGGP、パリと本調子ではありませんでしたが、オレゴンで変わってくることは目に見えていました。(例年4~5月は調子を上げない)彼女が今回、どんな調子で来るのかわかりませんが、彼女は日本が好きなので、GGPに出たいと去年の段階で話していましたね。

ーー北口さんのことも好きなのでは?
北口選手:
そうだといいんですけど(笑)。また来てくれるんだ、楽しみだな、と思いました。

ーー北口選手は周りが強いと自身の記録も上がるタイプですよね? 試合を楽しめるタイプの選手。
北口選手:
そうだと思います。人に見られるのが嫌だっていう選手も中にはいますが、私は人に見られている意識すらなくて(笑)、試合を楽しんじゃっています。

ーー試合中の北口選手の表情を見ることもファンは楽しいのですが、試合中の風向き、始まる前に投げる練習投てきの距離は、どう見たら観客は楽しめますか。
北口選手:
風は向かいだと、助走が走れなくなっちゃうんです(笑)。投げたやりの軌道がイチローさんのレーザービームみたいなら向かい風でも大丈夫だと思うのですが、私は日本人としては高めなので追い風のとき、それも右側から若干の追い風が吹くといいのかな、と思います。練習投てきは試合によって違うんですが、2回は投げられると思います。(予選を通過した)東京五輪の頃から最初の3回までの試技で良い記録を残すために、練習投てきも本気で投げるようにしました。それでもそんなに距離は出ません。60m投げられたら安心できるんですが、55mくらいは投げておきたいですね。60mをばんばん投げる選手はいなくて、みんな同じくらいの距離にやりが着地しています。

ーー助走のスタート位置を変えたり、やりの硬さを変えたりする点は?
北口選手:
スタート位置は前の試技より速く走りたいときに後ろに下げますが、一足長(約30cm)くらいなので、見ている人にはわからないかもしれません。私が投げるやりはだいたい、尻尾の部分がオレンジ色です。緑のやりなら硬くなっていて、青なら軟らかくなっています。白と緑がぐるぐる巻いてあるやりも投げていますが、オレンジより少し軟らかい感じです。だいたいオレンジを投げると思いますが、色を変えたら何かを試そうとしているときです。

ーー木南記念でも試していましたが。
北口選手:
緑は木南記念でも3回目に試しましたが、毎回上手く投げられないので、GGPでも投げるかわかりません。硬いやりの方が空気抵抗は減るので、上手く投げられれば飛ぶはずです。今はそこまで硬さにこだわっていなくて、どのやりでも飛べばいいや、と思っていますけど。本当に状態が良くなって技術もしっかりできれば、硬いやりも少しずつ試していきます。