北口榛花(25、JAL)が自身の日本記録更新を目標に掲げた。セイコーゴールデングランプリ(GGP)2023横浜が5月21日、今年は横浜市の日産スタジアムを舞台に15種目が行われる。昨年の世界陸上オレゴン大会金メダリストが3人、男子100mのフレッド・カーリー(27、米国)、走幅跳の王嘉男(26、中国)、女子やり投のケルシー・リー・バーバー(31、豪州)が参戦。女子やり投はバーバーに挑戦する北口に注目が集まる。大会2週間前に北口にインタビューをお願いした。

「2戦連続64m台を投げられたことが自信に」

ーー織田記念(4月29日。64m50=今季世界最高)、木南記念(5月6日。64m43)を振り返ると?
北口選手:
まだ自分の身体は本調子ではなくて、どこかしら動きづらいところも持ったまま2試合に臨んでいました。織田記念の2週間前に帰国して、最初の1週間はまったく動かない状態で、4日か5日しかしっかり調整できませんでした。そんなに投げられないんじゃないかと思っていたので、予想以上に記録が出てビックリしました。木南記念までも1週間の中で調整しなくてはいけなかったので、2戦連続64m台を投げられたことはすごく自信になっています。

ーーご自身が意外と思われる状態でも64m台を安定して出せた理由は何だと考えますか。
北口選手:
まだ2試合なのでよくわかっていないのですが、トレーニングを積んできてある程度力はついたのだと思います。特に助走が、すごく速かったりすごく遅かったりして記録が左右されましたが、その波は小さくなったのかな。でも速く走るとフィニッシュの投げの部分が、まだ上手くいかない感じはあります。投げの局面で左脚が浮いている時間が長すぎて、右、左と着いて両脚で地面の力をもらうエネルギーが少なくなっています。右脚がもう少し速く動いて、でも腕は残ったまま、という動きができれば理想なんですが。

北口選手とシェケラックコーチ

ーー織田記念はデービッド・シェケラックコーチがチェコにいて、1投毎に動画を送ってチャットでアドバイスをもらっていました。木南記念はコーチが来日して直接やり取りができました。
北口選手:
織田記念は試技の間の私の動きまでは、送ることができませんでした。私は試技の間に色々と体を動かすので、木南記念はそれを見て「もっとこうしよう」とアドバイスをしてもらえたんです。ダッシュや助走練習を見てもらって「そのくらいのスピードで」とか「そのイメージで」とか。最後の投げの局面で右、左と脚を着くところも、それで投げられたらいいよ、というアドバイスをもらいました。少しは良い方向に働いたかな、という感じはあります。