■中山間地域での、限りなく豊かで贅沢な時間
「あ、みっちゃん。映りに来たん?草刈りしに来たん」

村田さんの移住を地元の人たちも喜んでいます。隣に住む「みっちゃん」こと三船光夫さんは、今や親戚のような存在です。
「きのう2人、どっか行っとったろ朝から」
「鳥取の海に」
「夜まで帰ってこなんだ、何か寂しかったもん」
「そうするとおらん間に『誰来とったで』『何言ってたで』って全部教えてくれる」
(隣に住む 三船光夫さん)
「いやぁ凄いなと思って。すぐ隣がウナギ屋さんなので、毎日ウナギのにおい嗅ぎながらビールが飲めるなって」
(朋子さん)
「匂いは無料」
受け入れてくれる地元の人たちは、村田さんたちに田舎暮らしの新たなビジョンも与えてくれます。今は、東京時代から繋がりのある岡山県外の養殖場から鰻を仕入れている村田さん。この地で、新たなウナギとの出会いがありました。


(村田さん)
「これがこのあいだ頂いた、近くの川で獲れたウナギ。ダムのところで獲れるらしくて、1本だけいい大きさのがあって、美味しかったですよ。”川のうなぎ”って感じで脂が少ないですけど、身が凄いきれいな味がして」
いつかは、地元のうなぎを作った新たなメニューも出してみたい、と思い描くようになりました。


都会での仕事をリセットせずに、中山間地域でも東京と同じように、もしくはそれ以上に楽しんで暮らしているように見えます。豊かな自然に囲まれた贅沢な時間。新たなウナギ店がオープンする前から、村田さん夫婦はこの場所でやりたいこと、やってみたいことで溢れています。
(村田さん)
「ここら辺はいい食材がいっぱいあるんで、イノシシもすごくおいしいんで」
(朋子さん)
「ウナギがなかったらなかったで楽しい」
(村田さん)
「ウナギ以外でも全然料理が出来るんだな、というのが料理人としてはすごく面白い。”ウナギなしのコース料理”とか全然作れるし。」
(朋子さん)
「やっぱり中和の豊かさのお陰。ウナギも自分で獲りに行きたいしね」
(村田さん)
「いつかはね。自分でコメ作ってみたいとかありますし、やりたいことは沢山ありますね。それをやりたい順にやっていくっていう。」

地方と都市がつながった中山間地域での新たな生き方。移住の形が変わり始めてきているのを実感しました。