山梨の伝統産業でも、量り売りを取り入れているところがあります。

富士吉田市にある、創業約100年の舟久保織物です。

ここでは高品質の生地を使った傘などを製造・販売しています。

舟久保織物 代表 舟久保 勝さん:
傘を切った後に検査をして問題のあるものを、量り売りにしてお客様に提供している。

これまで規格外として処分していた布を、10g100円で販売し始めました。

Q:全然きれいな感じがするが?
舟久保織物 代表 舟久保 勝さん:
ここにちょっとした傷があります。これだけでもダメになってしまう。

規格外といっても、見た目も触り心地も問題ありません。

1mの価格は通常は1500円から2000円ですが、400円程度で購入できます。

端切れはブックカバーや人形の服など、アイディア次第で様々なものに生まれ変わります。

この取り組みは布の廃棄を減らすだけでなく、丹精込めてつくった職人の思いに応えることにもなります。

舟久保織物 代表 舟久保 勝さん:
全て大変な手間をかけて作っている布なので、問題があったからと言って焼却処分するのは心苦しさや寂しさもあった。こういうものを何かに使ってもらえる環境があれば、すごくうれしい。

必要なものを丁寧に選び、無駄なく使う量り売りには、環境だけでなく心も生活も豊かにするヒントが詰まっていました。