ミサイル部隊配備の狙い、今後の動きは?

【平良記者の解説】
県内各地で配備が進むミサイル部隊。防衛省は中国の海洋進出を意識し、南西地域を日本の防衛力の重要拠点と位置づけ奄美大島から沖縄本島、そして今年開設した石垣駐屯地などに配備しています。

防衛省は与那国島へのミサイル部隊の配備については「与那国島には空からの攻撃を防ぐための装備が準備されておらず。他国から飛んでくるミサイルに対して普段からの防御が必要」と説明しています。

ただ改めて地図で見ると、与那国島を含めた南西地域全体で防衛力を向上させることで中国の海洋進出を、列島線の内側に抑え込む狙いは明らかです。

現在の与那国駐屯地には他国の船の動きを監視する沿岸監視隊が配備されていますが、今年度までに敵の通信を妨害する電子線部隊が配備され、今後地対空ミサイル部隊が配備されることになります。

与那国駐屯地に配備されるミサイル部隊の隊員数は未定とされていますが、他の駐屯地の部隊規模から、ミサイル部隊の規模はおよそ100人だと考えられ、関係者によりますと、こうした常駐部隊などの配備後には自衛隊員だけで与那国島の人口のおよそ2割に到達します。

15日に行われた説明会では、このままでは、住民の意思が問われないまま事実上、島の自己決定権が失われると危惧する声も聞かれました。

与那国島では去年日米共同訓練も実施され、現在はPAC—3部隊も配備されています。なし崩し的に様々な配備を進める前に、一度立ち止まり、不安が解消されるまで住民の声に向き合う姿勢が必要だと感じます。